3.あれやこれや
下町に降りて来て少し歩いていると日本で言う商店街みたいな所に出た。食材や家具定番の武器やなんかもこの通りにあるらしい。その奥を抜けたところに、服装と書いてある看板があった。やっぱり少し翻訳がおかしい気がする。中は至って普通だった。少し古着屋に近い感じがするが買い物している客も沢山いて庶民には人気の服屋だそうだ。とりあえず、白いTシャツみたいな服2枚とロングスカート2枚それから皮のブーツを買う。ちなみに値段は合計5000G。王様から貰った袋の中には金色のコインが30枚入っていた。会計の時気づいたのだが、お金の価値が分からない。あたふたしていたらちょっといいところのお嬢ちゃんが抜け出して来たと思われたそうで、優しそうなおばさまが丁寧に使い方を教えてくれた。
鉄貨10G
銅貨100G
銀貨1000G
金貨10000Gらしい。
王様は三ヶ月分と言っていたので下町で生活するには月に100000Gくらいなのだろう。服屋のおばさまが着替えて行きなよと言ってくれたので着替えてから店を出る。新しい服を着て外にでると幾らか視線はマシになった。それから少し歩いて観察すると、りんごによく似たものだったり、じゃがいもによく似たものだったりが売られていた。りんごによく似たものは30G。じゃがいもはあまりこの世界では人気がないのか20Gだった。
とりあえず状況把握がしたいので公園みたいな所のベンチで休憩する事にした。日本に住んでた頃より空気が綺麗で、少しの間ボーっとしてしまった。ガサガサと服屋で貰った袋が音を立てる。そのとき思い出したのだが、無限ポケットって私のステータスに書いてたなと。どうやって使えばいいのか、そもそもポケットってポケットなのか?悩んでても仕方ないので、ステータスと開いて無限ポケットという文字に触れてみる。……何もでない。使い方が違うらしい。ポケットポケット…と考えながらボーとしてたら目の前にジッパーの様なものが現れた。ソーっと開けてみると真っ黒な空間があった。とりあえず悩んでても仕方ないのでスーツを入れてみる事にした。スーツを入れジッパーを締めるとスーっと消えてステータス画面からもう一度スライドさすと、スーツ×1となっていた。
ふむふむ。一回スライドするとステータス画面で二回スライドすると持ち物メニュー。少し使いづらい気がするのは私だけだろうか?まあ、無限ポケットというのがあるのはとてもありがたいので気にしない事にする。
長い間考え込んでいたのか周りは、段々暗くなっていた。ギルドについてやこの街のことについて調べたかったが、夜はどこまで安全かまだ分からないので宿を探す事にした。