【出逢い】
体中を引き伸ばされるような。引っ張られるような。そんな感覚。
「て・・・・るっ・・・!!だいじょ・・・・ぶか?!」
一応声は出せるらしい。
「ゆうっ・・・・どこ行くんだ?・・・俺・・・たち・・・」
そして、光が見えた。
ぼさっ。ぼてっ。
何とも無様な音を立てて落ちる二人の青年。
「っだっ!!!」
俺の上に、事もあろうに輝が落ちてきた。
「ぐえっ・・・」
声をあげる輝。俺のほうが確実に痛い。
ふと顔を上げると_____森?
「なあ尤。」
「どうしたん」
ガササササッ!!!言いかけてると草の茂みから何か出てきた。
『匿ってくりゃれ!!!』
緊迫した感じの幼女。猫耳つき。
ワオ。ここってマジで何処?
『追われてるのじゃ!!!匿ってくりゃれ!!!』
「お、おう」
輝と俺の上着で猫耳幼女を隠す。
バタバタバタッ!すぐに足音がして変なヤクザっぽいおっちゃん方が出てきた。
「おう!餓鬼共!ここに猫魔がこなかったかぁ?!」
「ん?来て無いぜ?」
輝が受け答えする。
「というか、お前らどこの者だ?見ねえ面と格好だが。サーカスか?」
「みたいなもんです」
俺が答える。
「じゃあおっさん達もなんか頑張れよ!」
あ、馬鹿。こんなヤの字っぽい人にそんな事言っちゃ駄目っしょ。
「おう!頑張るぜ!因みに俺はまだ27だ!」
そう言っておっさん達はどっかにいってしまった。
「もう出てもいいぞ」
俺が上着を取る。
『すまないの。匿ってくれて助かった』
「お、おう」
「てか何で追われてたの?」
『うむ。わっちが少しばかり異形だからじゃ』
うん。可愛すぎて異形って事で。