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プロローグ
頭上にあるスマホが小刻みに震えて、起きなければいけない時間を僕に伝えてくる。僕は憂鬱なこの時間の30分前から5分刻みにアラームを設定をしている、それをいちいち僕は寝ぼけながらもスマホのアラーム停止ボタンを押す。
結局起きるのは起きなければいけない時間ほぼぴったりだ。
また早起きしてしっかりと朝ご飯を食べてから大学に行こうという計画が崩れてしまった。実際にこの計画がうまくいったのは片手で数えられるぐらいだ。そもそも僕みたいな人間のタイプは決まった時間に決まったことをするという計画は合わないのかもしれない。それはきっちりとした計画のもとで動いている日本の社会に出たら対応できない、いわゆる“社会不適合者”なのかなと不安になった。そのほかにもいろいろなことを考えながら、急いでテーブルの上にあったジーパンとクローゼットの一番手前にあったTシャツに着替えて、水を一杯だけ飲み、歯磨きをして、紺色の特に特徴のないリュックを背負い、誰もいないはずの部屋に「行ってきます。」と呟いて家を出た。