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ツクモ式  作者: MRS
9/27

外伝 ニ

 ───教室で笑い合う女子生徒達。




 何故だろう。そう、わたしは疑問に思う。


「それでね───」

「えーほんと───」

「でもそれが───」


 クラスメイトと話している今も、わたしは疑問を忘れられない。

 疑問の事を考えずにはいられない。何故、何故、と。


「あ、菜々美ちゃんの髪留めカワイイ!」

「ホントだ。それ新しいやつ?」

「ありがと。これは二つでね───」


 新しくした髪留めを友達が褒めてくれた。可愛くてお気に入り

 の、二つの髪留め。わたしは可愛い物が好き。

 可愛いお菓子、可愛い靴、可愛い鞄、可愛いアクセサリー。

 可愛いを身に着けるのが好きで、可愛いく成れる事が大好き。

 なのに……。


『ヤツザキグマー。』

「「!」」


 鳴き声? を聞いた友達がわたしのツクモを見る。

 その目は決して可愛いモノを見る目じゃない。わたしはあの目

 を知っている。

 あれは、あれは似合わないモノ着けて来た時に見せる目で。

 可愛くないモノを見る目だ。


「そう言えば、前に言ってたケーキ屋さんって何処だっけ?」

「え? えっとね───」


 わたしは自分のツクモを無視する。何故鳴いたかも分からない

 のだから、どうにも出来ない。他の子が連れているツクモは皆

 可愛い。

 男子のツクモですら可愛いのが居る。なのに私のツクモはどう

 してこうなの? ふと。その男子の中でも一番可愛いツクモを

 連れている子の話し声が耳に届く。


「行こうぜ白波。」

「うん。今日はツクモが変わる為の───」


 眼鏡の子の話をパーカーの子が遮り、それ以上は聞こえなか

 った。

 ツクモが変わる? 変わるって何? もしかして姿がって事?

 あの二人は確か……。クラスメイト達に裏で馬鹿にされてた

 二人だ。

 話の続きが気になったけど、二人はそのまま何処かへ行って

 しまった。

 わたしはクラスメイト達に謝りながら席を立つ。話の続きが

 聞きたかったから。

 教室を出るわたしの後を追って来るのは、自分のツクモ。

 歩き方すらも可愛く無いこのツクモの姿が、変わるかも知れ

 ない。二人の後を少し早足で追いながら。考える。




 わたしは、わたしは自分のツクモが───

最後までお読みいただきありがとうございます。この物語が少しでも楽しめる物であったのなら

幸いです。

物語を最後までお読みいただいた貴方様に心からの感謝とお礼を此処に。誠にありがとうございます。

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