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炎の大地×冷血なる一族×光の道……4

 グリムは、後方の八名を自身が操る死者の肉体から作られた球体に閉じ込める事に成功する。


「此れは【腐肉の王国(カダベルレイノ)】って言うっす。どんな攻撃も内と外から通さない最高の王国っすよ」


 自慢気に話すグリムに対して、シシリアが軽く呟く。


「最悪の王国でしょ、それより、相手はヤル気満々みたいよ?」


 グリムが視線をアルトゥトの部下である特務隊へと向ける。其処には剣や槍を手に戦闘の意志を明らかにする者達の姿があり、それは即座にグリムとシシリアに襲い掛かっていく。


「はあぁぁッ!」

「敵は二人のみッ! 囲め!」


 練度の高い兵士だと即座に気づかされる程の連携を即座に見せ、八人で円を描くように走り出す。


 その行動が終わるまで微動だにしないグリムとシシリア。


 少数での包囲に対して、危機感は存在していなかったのだろう、グリムはどの相手から倒すかを吟味するように辺りを見渡す余裕すら存在していた。


「シシリアさん、好きに暴れるんで、怪我しないで下さいっす」


「はいはい、まあ、攻撃が当たれば危ないけど、当たらないから大丈夫よ」


 マスク越しにそう呟くシシリア。


 そんな二人に対して、特務隊からの攻撃が開始される。


「あ、いけないっす……能力をシシリアさんに知られ過ぎるのも、面白くないっすね?」


 軽く指を鳴らすグリム。


 シシリアの周囲に突如、腐肉の壁が作られ、四方を防壁のように包み込む。


「こら! グリム情報隊副隊長! 出しなさいよ!」


「文句は後で聞くっすよ、さて、本気で楽しませてもらうっすよ」


 八人の特務隊を前にそう語るグリム。


 八本の槍が握られグリムに目掛けて、凄まじい勢いで突き出されていく。


 龍の猛攻を思わせる激しい連撃が放たれるとグリムは楽しそうに笑みを浮かべながら、両手を広げる。


「嗚呼、本当に最高の瞬間っす! あはは……麗しの姫の前で戦えるなんて! 体の中から、全てが流れ出してしまいそうになるっす……」


 不気味な笑みを作り出し、グリムが開いた両手を額に向け、髪を一気にあげる。


 その瞬間、グリムの作り出した王国が震動する。

 特務隊が突き出した槍の前に一斉にアンデッドの腕が地面から姿を現し掴み掛かる。


 予想だにしない事態に特務隊が瞬時に距離を取るとグリムは不敵に笑みを作り出した。


「見つけたっす……」


 言葉が呟かれた瞬間、一人の重騎士の足元から巨大アンデッドが出現すると、その腕が力強く重騎士を握り絞め宙に持ちあげる。


「ぐあぁぁッ!」


 鎧すら握り潰す程の凄まじい力に重騎士は次第に抵抗しようと力を込めていた拳が開き、苦痛の声をあげる。


「ぎゃあぁぁッ、骨が、体が砕ける!」


 重騎士の足が人形のように力無く、下を向く。


「動きが単調なんすよ、バレないように、自然に武器を動かしてたっス、けど……最初に動いたりしたら、更に不自然の極みっすよ」


 グリムの言葉に重騎士は微かに声を呟いた。


「バケモノが……だが、所詮は……単なる獣だ……」


「言ってくれるっすね……獣って言い方は、本当に良くないっすよ」


 グリムが一瞬、怒りを露にした瞬間、背後から一筋の斬撃が襲い掛かる。


 更にグリムに言葉が呟かれる。


「そうだな……獣なら、背後からの一撃も本能で躱せただろうが、やはり、所詮は獣にすらなれぬ愚か者だな……」


 背後から襲った騎士の言葉が耳に響いたと同時にグリムがその場に倒れ込む。


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