後方部隊×第四の関所×暗闇の部屋……3
真夜中、焚き火の炎が微風に揺れる。
暗闇の先から顔を出したアルガノ。その脇に抱えられ、両手に食事の乗ったままのトレーを確りと握ったカルミナの姿が姿を現した。
呆然とする一同。
「ア、アルガノ、なんでカルミナを抱えてるんだ?」
キャトルフの問いに少し不服そうに返答する。
「言われた通り、食事を運んだら、目覚めた。だから、連れてきた」
当たり前のように、カルミナを抱えたままそう語るアルガノの姿にキャトルフは軽く頭を抱えた。
「取り敢えず、カルミナを下ろしてくれ、頼むからそっとな」
「わかってる。マスターが心配しないでも、そのつもり」
カルミナがゆっくりと地面に足を下ろす。
「何がなんだが、私はいったいどうして、記憶が曖昧で……」
意識を取り戻したカルミナ。しかし、記憶が無くなっていた事実が明らかになった。
長くクラウド=アバシリアの元で洗脳されていたことが原因だろう。
悲しく切なげな視線をおくるキャトルフ。
誰もが言葉に詰まる状況になっていた。当然、当事者であるカルミナは、そんな状況にどうしたらいいか分からず、不安そうに怯えていた。
そこには、【シスイ】でキャトルフと闘い、黒猫の団員と同等の力を示した強者カルナ=カルミナの姿は無くなっていた。
「なんでもいい、それより……マスターはシシリアとの約束を果たしてあげて」
その場の空気をあっさりと塗り替えるようにアルガノがカルミナを横に座らせた。
「黒猫の団は、報酬に偽りを赦さない……マスター、前にそうボクに言ったよね」
幼い見た目のアルガノが、確りとした大人のカルミナをサポートする形になり、その場の空気が不思議な物にかわる。
「そうですね。確かに、報酬の約束がありましたね。それにカルミナさんの記憶が戻る切っ掛けになるやもしれませんし」
夜の焚き火を囲み、キャトルフに視線が集まると、静かに二人の過去が語られる。
全てを知る風薙は、一人立ち上がる。
「見回りしてくる、団長は確りと説明してやりなよ。あはは」
その態度に、キャトルフの緊張は解けた。
「そうだな、風薙は俺とカルミナの関係を知ってるからな……何から話すかな」
当然ながら、アルガノとシシリアが声をあげる。
「「二人の関係」」
その言葉に驚くカルミナの表情、それを凌駕する二人の表情が再度、キャトルフに向けられていた。




