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夢の中のクエスト依頼

水、また俺は流された。

最後まで本気で抵抗し続けたのにだ。


今度こそ死んだのか、死んでないのかは、分からないが、努力は水の泡。


理不尽な状況に振り回され、邪魔される。頑張っても、頑張っても、意味はなかった。結末は変わらないのだから。


これから、どうすれば良いのだろうか?全てが謎で、見えない影から殴られる、気付いた時にはもう遅くて。抵抗や努力では、光など見えない。


分からない、誰か教えてくれ。


ーーフラッシュ、思考が燃焼、

テリトリーを侵害され、倦怠感、

少し経って、脳が響いた。


「ーーあぁ、可哀想、教えてあげよう。」


特徴つかずなその声からは、憐れみでも、同情でもなく、嘲笑、いや、どこか他人事のようだが、関心を示している。


答えに躊躇う。見えない者への恐怖、口調の嫌悪感。

ただ、2回目の会話であり、感情が昂ぶるのは確か。


それでも、絶望感な状況を踏まえて、藁にもすがる思いで、判断した。


恐る恐る、控えてた口を開く


「ど、どうすれば…?」


「お前はウンコだ」


はぁ?意味が分からない、ここにきて悪口か、お前まで俺を馬鹿にするのか。

苛立ちは積もり、


それを察したのか、その原因が再び喋る


「比喩じゃない、お前は、ウンコそのものだ」


ほぼ見えぬ視界が再びフラッシュし、


久々に鮮明な景色が、背景はボヤけ、

そこに映るものは、


茶色い塊、瑞々しいそれは、見た記憶がある、それは、


それは、ウンコ


認識した後、それは、ヌルヌルと動き出し、

デコボコの上半身と、平たい下半身を見せ、

段階を踏み上半身がバラバラに、

見覚えのあるそれは、


記憶を引き出し、俺だ。確信する。

ウンコ、ウンコ、ウンコ、


それは、汚く、臭く、ベチョベチョでグチョグチョで、

忌み嫌われるモノ、ウンコ


ますます、状況が分からない、


が、飲み込む時間は無く、遮られる


「見事なウンコだ。これは特別でね。自分からバラバラになるのは見た事がなかったよ。素晴らしい、凄い」


俺に接触した理由はそれなのか、好奇心の源も、


俺は特別。人間の頃は味わえなかった。じゃあ、ウンコでも良いか。

初めて、認められたのだった。


またも、展開は唐突で、


「特別な君に頼みたい。

今こそ、叛逆するんだ。自分を救い。ウンコを救え。そう、このダンジョンからの脱出。

ここは下水道、堅牢な関門であり、ウンコは絶対排除、出口はただひとつ下水処理場。正面突破だけ。

君が適任だ。できなければ、みんな死ぬ」


相手の目的も俺のこれからも見えてきた。

良いだろう、話に乗ろう。俺でも役に立てるんだ。やはり、指示されなきゃ俺は何もできない。


「わかった、やってみよう。でも、自信がないんだが、本当に俺でいいのか?」


聞けば答える


「じゃあ、ヒントをあげよう、起きた時の君の隣を、君を使って治療するんだ、移植っていうのかな」


曖昧だが、


「足りない…


そして、頭が真っ白に、スイッチが入ったように、眠気が消えて、「ーー起きろ」


視界が形成されていく、


「君この世界のモノじゃなーー


聞き慣れた声がボヤけていき、視界はクリアに、


うっすらと天井が、

初めて天井を見たのだ。


「ーー起きろ」 声が聞こえて、


いい目覚めだ。


目が覚めたそこはベットの上だった。









































































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