プロローグ 産み落とされる
難しい状況なのでくどい描写になってしまいました。
主人公は現状を完全に理解できてないので状況想像しながら読んで頂ければ幸いです
ーーうえっぇ、気持ち悪い
目覚めたら直後にそう思う
今まで一度も感じたことのない系統の感覚。
刺激に感覚が追いつかない 器官は感覚を拒絶してる、こんなことは予測してないと、自分が自分でないように感じるのに感覚ば本物だ
時間が経って適応する、そして初めて気付く感覚の正体に、体全体で感じていたのだ。我が肉体がぐっちゃぐちゃに練り潰されている、そして皮全体から水という水余すことなくを吸い取られる、捕食される時の感覚だそう思った
そいて状況が分かれば、冷静に考えて
本当の状況を知る。
私は死んだ、現在進行形で死んでいる
そう考えているにも関わらず実感が湧かないのは……
肉体が真実に気づいたからに他ならない。
今から死ぬっていうのに全然衰弱しないのだ
水が無くなることで、練り潰されることで人間としては死ぬが。体は生きている、頭は考えている。弱るどころか不完全な自分が補われていく、肉体は新たな自分に早くも適応していた
否、いままでの身体はなく、新しい身体なのだが、
生きているのでは無い、生まれ変わったのだ
全てを悟った、そして慣れた
状況が分かれば自然とある疑問に行き着く
死んだのか?死んだ記憶が一切ない
だから目覚める直前の記憶を探る
記憶喪失したのか?いや、今までの記憶はある名前は鈴木 宇林で年齢19歳職業はニートだお母さんにお父さんも覚えてる迷惑を掛けてすまなかった、友達なんていた記憶はない、いなかった記憶しかない、俺は毎日毎日ネットの海に潜り、ゲームの世界で自己満足、アニメを見ては理想を描いていた、
俺の人生は薄っぺらいー
14歳まで何の目的もなくなあなあに生き、大学受験のプレッシャーを前になあなあに生きることすらやめニートになった。
他の人の記憶の中に自分はどれくらいいるだろうか、死んで悲しむ人は何人いるのか?どちらも限りなくゼロに近い。
誰かの為に生きれないから死にたくないなんて思わない。故に簡単に死んだ。死んだことはさして重要ではない。だから覚えてないのかも知れない
薄っぺらい記憶が遅れた走馬灯のようにフラッシュバック。自分の人生を嘆くしか無かった。こんなこと、忘れたままで良かった
降り注いだ記憶が整理され本題に入るーー何故死んだのか?
今日もいつも通りニートがネットを謳歌していたそれなのに何故
安全地帯である家の中でいきなり死ぬとかありえるのか?
衰弱死したのか?気づかずに死ぬなんて、呆気なく死ぬなんて、薄っぺらい人生はしょうもない死に方で終わったのか?それよりはせめて死んだショックで記憶喪失したとでも思いたい、そうだ覚えてないのだそうだ、いや、そんな筈ない?
誇れない人生をこれ以上侮辱するな
分からない分からない分からない???
何故記憶は消えなかったんだ?
分からない分からない分からない???
思考は堂々巡りの渦に飲み込まれた
考えて考えて考える
分からない分からない分からない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
終わらない筈の静寂の思考を何かの騒音が打ち消した
『#%£€~<^*+{•=]』ーーーうるさい
新たな感覚が芽生えた音だ
でも意味が分からない聞いたことがない
“#さ£€あ<^*+こ•=]”ーーうるさいーーうるさい
聴いたことがない、でもだんだんと明瞭になって
だんだんだんだん時間だが経って…
「なん_/#から'*^<£roho?」ーーー音が形になっていく
これは言葉なのかも知れない、誰かがいて何かが起こって、これから関われるのかも知れない
それに自分が作られてく感覚、急激な成長、心当たりだあるーー赤ちゃんだ
もしかしたら、人間として生まれ変われることもあるかも知れない
可能性はかなり低い、でも初めての声は希望を与える
ーーそして光が見えて、揺れを感じる、ベルトコンベアの上を移動するように
俺の周りが動くーー
自分が産まれるのか?そうだそうなんだ、音だって聞こえたし、そうだなんだ
ーーーーブリリリリリリーッ%~|*^#€ブリブリブリッ今までで最も強烈な音、それを自分が出してることに気づいた
そして押し出された。今までの移動とは違う
とてつもない力が加わってその反動で一気に
柔らかい壁に摩擦しながら
ーーポトっポッチャグチャッ
思ってたのと違うー締め付けから解放された肉体は初めて重力を感じる
ーー落ちる、押し出された反動に重力が加わり落下は加速、
そして、何かにのめり込んだ
柔らかいーそれによって落下の衝撃を相殺する だんだんと速度は下がり…
深くまでのめり込み底を知る
押し潰される感覚グチャという音それで分かった地面に打ちつけられた
が、周りはついさっきまで枯渇していた前世では必要不可欠そう水だ
体全体から最後の最後まで吸い尽くされ続けたものを体全体で感じる事が出来る
喪失感を利用した幸福感、記憶の中にある生存本能、、心は満たされて体は潤う、
幸福感に浸る
のも束の間さらなる脅威が その引き金はーーカチャ ー音がした、すると
自身の位置が定まらない、常にひっぱられ、身動きが取れない
ーー焦るー冷静になり考える
この状況を引き起こしてるのは水だ
水の流れに逆らえないからだ
水の渦?いや規模が違う言うなれば竜巻だ
円形に回転しながら…位置感覚が下に下に…回転に掛かる時間は短く短く
これだけ分かれば、自ずとこれからどうなるかが分かった
竜巻の目的は吸い込むこと
気づいてから自分の目的を定める
ーー抗う、本能が危機を感じ、精一杯体を動かす目は見えないが感じることも聞くこともできる、ならば、いままで抑えつけられていた「動く」ということもできる筈だ
そう信じて、脳は必死に命令を送る死なない為の火事場の馬鹿力、手も足も動かない
でも体全体を動かして…上へ上へ、流れに逆らう、無我夢中で抗うことだけを考える
が、結果は残酷、呆気なく流される、吸い込まれる、そして抗う意味が途絶え、疲れがどっとでる、それから気絶、運命に流され、深い眠りに就く、死んだ今度こそ死んだ、失敗してしまった。
希望が尽いえて初めて気付く
生まれ変わっても、変わることはできなかった
気を失った体は流れに身を任せる
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