1序章
初投稿となります。なるべく速いペースで更新できれば良いと思っております。
誤字脱字等ございましたら申し訳ありません。
文章力が足りずもしかしたら読みにくいかと思いますがよろしくおねがいします。
時は、はるか古の時代 神と呼ばれる存在たちが覇権を争った混沌の時代が終わり
かつての群雄割拠も吟遊詩人が酒場で英雄譚で語るのみ
戦乱を統一した5柱の神がカ国を作り上げ、その国民たちは争いのない平和な時代を享受していた
その5カ国というのは、北の大陸の神族の多く住む、神聖正騎王国、東の大陸の魔族の多く住む、神魔帝国、
西の大陸の半獣人の多く住む雷華皇国 中央大陸の竜人の多く住むミスラルス帝国 南の大陸の精霊の多く住むアルカース公国である
文明の基本の程度は中世ヨーロッパ程度であるが、この世界には魔法と神々の遺産である神具があるというところだろうか
善政を布き帝国を堅固なものとし賢帝と名高い皇帝クレシェンツィオ・ヴィクルンド・ミスラルス3世とその后リリアナ・ルアルディ・ミスラルが治めるミスラル帝国
ミスラルス帝国の帝都ラルエルスにある帝城ラルエルス城にある少年がいた
ねぇバルじい、またお話聞かせてよ 目をキラキラさせて7~8歳くらいの少年が部屋に駆け込んできた
おやおやアル様またおさぼりですか?呆れた顔をしながら立派な髭を蓄えた老人が長いタバコのパイプを咥えながらにこやかに少年に言った
でもお勉強ばっかりでつまんないんだもん、じいの話のほうがずっと楽しいんだ
アル様、今回だけですぞ しっかり勉学に励まなければ陛下に叱られますぞ
叱られるのは嫌だけど優秀な兄様たちや姉様が居るんだもん大丈夫だよ
ですがこの爺の話も聞いてくだされ第一皇子のエバンス様、第二皇子のルーファス様
第一皇女のマリアンヌ様、妹君の第二皇女ルビーナ様、皆様方勉学やご公務に励んでいらっしゃるんですぞ
若様、貴方様はミスラルス帝国の第三皇子アルフレート様なのですからしっかりしていただかないといけませぬ
ああっいつもこうなると結構長いんだよ、うんざりした気持ちでバルじいの話を仕方なさそうに聞いている
パイプを吸いフーっと煙を吐き立派なあご髭を撫でながらまあ今回だけですぞ アル様なんの話をこの爺に聞きたいんですかな
先程のお説教モードからうって変わってにこやかに話しかけてきた
このバルじいと呼ばれる立派な髭を蓄えた老人はバルトロメロス元宮廷魔術師長で今は顧問と僕と妹の魔術の教育係してこの城に仕えている
普段は孫のようにかわいがってくれるんだけれどお説教が長いのと魔術の宿題が多いのが玉に瑕くらいかな
でもバルじいから聞く若い頃の冒険や英雄譚はとても面白く飽きない
まあこちらにかけてくだされ お茶でよろしいかな 僕をソファーに座らせるとバルじいはパンパンと手を叩いた
どこからともなく1mくらいの小さなクマのような使い魔が二人分のお茶の乗った銀色のトレーを頭に乗せてひょこひょこ現れすっと銀色のトレーをテーブルに置きペコリと頭を下げて消えていった
紅茶の入ったティカップからは、湯気が立ち上りいい香りが漂っている
ささ温かいうちにどうぞとバルじいは、お茶お勧めてきた
僕がティカップを手に取り一口飲もうとするとバンと勢いよくドアが開き
驚いて思わず口からお茶を吹き出しそうになってしまった
アルフレート様~何やってるんですかぁ般若みたいな顔で怒っている女騎士がそこにいた
僕は平静を装いながらさっき吹き出しそうだったお茶をゴクリと飲み込み、今バルじいとお茶飲んでるんだと言った
そうじゃないでしょ今は剣術の稽古の時間なんです今日という今日は逃しませんいつもいつもサボってばかりで許しません
この女騎士はフェリシテ 凄腕の剣士で公爵令嬢でもあるもちろん僕の剣術の先生でもある
すごい美人なんだけれど剣術に掛ける情熱はものすごい物があるがそれ以外はからきしだめという残念美人さんだ
ソファーに座る僕のシャツの襟首グイと掴み上げバルトロメロス様剣術の稽古の時間なんですので失礼しますわと僕を強引に引きずりながら部屋を出ていく
ああ全くなんで毎回毎回稽古してくださらないんですかと言いながら僕を引きずりながら廊下を訓練場に向かって進んでいった
僕は剣術の稽古はあまり好きではない
嫌いなわけでもないんだが僕の身体的能力によるものも多い
この国に住む竜人の力は、平均的人間の5~6倍程度、魔力は10倍程度で平均寿命は1000年ほどが普通だ
僕の場合は平均的な竜人の五〇分の一程度の力と計測不能なほどの微かな魔力それがこの稽古を嫌がる理由
最初の頃は木剣はよろよろして持てない、練習用の刃引きの剣には潰されそうになるほどの脆弱な体質だ
素振りをするというよりも木剣に振り回されているというのが現実である
引きずられながら訓練場に着くと今日の日課の素振りを始めてくださいとフェリシテが僕に素振り用の木剣を手渡してきた
いつものようによたよたと仕方なしに素振りを始めるんだけれどそばで見ているフェリシテが頭お抱えている
アルフレート様あなたって人はいつになったらまともに素振りができるんですかと呆れた声で言った
だってこの木剣重すぎるんだから無理だよ
皇子それ一番軽い幼児用ですけどそれでも重いんですかと頭を抱えながらさらに呆れた声で言った
重すぎだよもっと軽いのないのと言ったらフェリシテがそんな軽かったらアルフレート様全く訓練にならないのですよ
アルフレート様あなたは、王族なんですから護衛がいる時は良いんですがもしもの時ご自身のみを守るために最低限の武力というものを身に付けてもらわなければいけないのですからね
おわかりになりましたらもう少し素振りの練習をしてください
ある程度自由に素振りがお出来になりましたらもう少し実践的な練習を考えておりますから
あっ地獄のシゴキ決定だ・・・よたよたしながら日課の素振りをしながら最悪なことを考えた
それから1時間後、日課の素振りを終え訓練場の床に僕はへたりこんだ。
もう動けない、いや動きたくない、汗が全身から吹き出し、疲労で体が悲鳴を上げている
やっとの思いで木剣を杖に立ち上がりゼイゼイと息が上がるのを抑えつつフェリシテ日課の素振り終わったよと声をかけた
お疲れ様です 20回ほどの素振りで1時間かかるってもう少し体力をつけましょう
陛下にお伺いしてなにか対策を考えますからね
父上に相談って・・・あっ最悪だ・・そこで目の前が暗くなるとともに意識を僕は手放した
誰かいるか、アルフレート様がまたお倒れになった早く救護所に運べとフェリシテは大声で叫ぶ
訓練場の兵士が手慣れた様子で担架を持って2人で駆けつけてくる
フェリシテ様またアルフレート様が倒れたんですかいと駆けつけた兵士が呆れた声で言った
うむ、いつものことだが大事があってはいけないいつものように先生のところへ運んでくれ
わかりましたフェリシテ様いつものように先生のところへ運んでおきます。
手慣れた様子でアルフレートを担架に乗せ、小走りに運んでいく
全くアルフレート様の虚弱には困ったものだなとポツリと愚痴をこぼしつつも後片付けをし
いつものように先生のところへ向かうフェリシテであった。
訓練場のそばの救護所と書かれた建物に担架を抱えて走り込む2人の兵士
先生!居ますかい、いつものように兵士が入り口のドアから声を掛けると建物の奥から
けが人かのぅと気の抜けた用な声が聞こえる
またアルフレート様が訓練場で倒れたんですと兵士が答えた
まあそりゃ大変じゃな早く中に運び入れんかという声ととギイッという音がしてドアが開いた
ささっ早くそこのベットにアルフレート様を寝かせなさいと先生と呼ばれる老人が声をかけた
手早く2人の兵士は皇子をベットに寝かせるとでは先生よろしくおねがいしますと言うと担架を持ちすばやく持ち場へと戻っていった
先生と呼ばれる老人は皇子の顔色を見ていつもの疲労じゃなと言うと呪文を唱え淡い優しい光がアルフレートの体を包んだ
すうすうとアルフレートは静かな寝息を立て眠っているようだ
これでいいじゃろうとにやりとその老人は笑った。
どのくらいの時間が過ぎたのだろうか僕が目を開けると真っ白な見慣れた天井とニッコリと笑う先生の顔が見えた
お目覚めになられましたかな 気分はいかがですかなと聞かれ僕は大丈夫だよ先生と答えると
まあ良いでしょう無理と無茶は違いますからなと先生が言った
この先生と呼ばれる老人の名はゾルターン、若い頃は、剣王と呼ばれあらゆる剣技に精通しあらゆる魔術を研究していたらしい
今はどう見ても好々爺としか見れない
もう起きても大丈夫じゃろう、あやつに扱かれたんじゃろうな全く何を考えておるんじゃちと締めておくかの~とゾル先生はのんきな口調でいった
ゾル先生後半のところちょっと洒落になってない気がするよ~と心の中で僕は思った
アル様、起きたんなら奥に行って茶でも飲もうや美味いお茶請けもあるからのう
せかせかせんでものんびりしたらええんじゃよ
まあこうして僕を甘やかせてくれる人たちも多くいるけれど
大抵の人たちは虚弱皇子、竜人の出来損ないと影で言っている
まあそれは僕が一番理解しているけれどと思っていると
おーぃお茶が冷めるぞぃ早くこないとお茶請けもなくなるぞうというゾル先生の声に誘われ奥の部屋に進む
やっと来たかの~先生はニコリと笑いっていた
ティカップには熱々の紅茶が注がれておりいい香りが鼻をくすぐる
今日のお茶請けはこれじゃの銀色の皿の上には焼き菓子が乗せられていた。
街に行ったらの甘くうまそうな香りがするから買ってきたんじゃよと笑う先生
僕は銀の皿から焼き菓子を一つ手に取り口へと運ぶ
サクっ程よい甘さと香ばしいいい香りが鼻に駆け抜ける
美味しいとポツリと言うとそうじゃろそうじゃろうと、さらに機嫌の良くなる先生
いい香りの紅茶とほんのりと甘い焼き菓子に気持ちを癒やされながら僕は先生に質問をしてみた
ゾル先生、僕ってなんでこんなにみんなと違うんですか生まれつき魔術も体力もなかったのかと聞いてみた
アル様が生まれたときは、強烈じゃったぞいこの城が光りに包まれて大揺れで窓が・・・げふんげふん・・・いやあれは嵐のときだったかのぅ年は取りたくないの~
最近はどうも物忘れが激しくていかんの~と先生は答えたがどうも変だ
若いもんには負けん、年を経たから冴え渡ってるなんて言ってるくせにゾル先生は何かを隠している様に見える
ゾル先生もうそろそろ僕も部屋に戻ります。ありがとうございましたと先生に挨拶をして救護所を後にした。
訓練所の前を通り過ぎ中庭の庭園のそば歩いて居るとき、庭の手入れをしている3人の庭師たちの姿が見えた
なにか話しながら庭の手入れをしているようだ
またあの竜人もどきが倒れたんだとよ またかよみっともねえ竜人名乗れねえよな
俺ならみっもとなくてこの国から出ていくんだけどなぁ そんな僕の悪口が聞こえてきた
あんたら何やっとんじゃ バチンと乾いた音が3つ中庭に響いた
親方・・・突然顔を叩かれてあ然とする3人に、みっともないことをコソコソ言ってるんじゃないよと言い放った老婆の姿が有った
親方と呼ばれる老婆は、僕の姿を見つけると、アル様、こいつら全員きっちり教育しとくんで不敬罪に問わないでくださいましね
僕の存在に気付き、顔面蒼白の3人に向かってさっさと若様にきっちりと詫び入れな、入れなきゃ不敬罪でこれだよと手で首を切る動作をした
ガクガクと震える3人はまことに申し訳ありませんどうか不敬罪だけはお許し下さいと膝をついて許しを求めてきた。
不快な思いをしながらももう良い許すよと僕が言うと3人はホッとした表情をしたが、親方と呼ばれた老婆がアル様は甘すぎます
あとできっちり3人には罰を与えときますからね
人心地ついた3人の表情が凍りついたが自業自得だなと思いつつも自室へ戻るからあまり厳しいお仕置きはしないでねと親方に告げるとその場を後にした。
あんたらさっさと片付けてあたしの部屋にくるんだよと後ろからは親方の威勢のいい声と気の抜けた用な返事が聞こえなんか少しだけスッキリした気がした。
自室に戻りさっきのゾル先生のお生まれになった時は・・・あの言葉がものすごく気になる
コンコン部屋のドアをノックする音が聞こえた
どうぞと声を掛けるとアル兄様入っても良い?と遠慮気味にルビーナが話しかけてきた
ルビィ入りなよ僕に何のようだいと優しく声を掛けるとルビィは、アル兄様このご本ね、かくれんぼしてて大っきな水晶が置いてあるお部屋のところで見つけたの
お話が書いてあると思って持ってきたんだけれどルビィにはこのご本わかんない
大きい水晶の部屋ってお父様から近づいてはいけないって言われてた部屋なのかいって聞くと、ルビィは目に涙をためてコクんとうなずいた。
大兄様たちやマリ姉さまに言ったら怒られるしお父様にも怒られてお説教されるの
だからアル兄様なら怒らないと思って、怒らないよねと上目遣いでお願いしてくる
じゃあ、ルビイそれは僕らだけの秘密にしよう誰にも言ったらだめだよ
コクんとうなずくルビィ、我が妹ながら素直だ じゃあお兄ちゃんにそのご本見せてくれるかなと僕は言った。
ルビィから手渡された本を僕は手にとって最初のページをめくった。
見開きには見たこともない紋章と幾何学的模様が見えた。
ドクン・・・体の底から何かが目覚めるような鼓動が聞こえたが気のせいだろうと思い、僕は本を閉じ、ルビィこのご本はお兄ちゃんが隠しておくからみんなには黙っておいてね
はい、アル兄様、見つかったら2人ともお説教ですものねとルビィは答えた
ではアル兄様私は、お部屋に戻りますわ
誰にも見つからないようにねと言いつつルビィは自室へと帰っていった。
僕は、机に向かいゆっくりとルビィの持ってきた本を眺める
赤茶けた古さを感じさせる本だ
特にタイトルなど書いてないが2匹の竜と世界樹のような大樹の絵が目を引くきっとルビィは、絵本か何かと思って持ち出してきたんだろうと僕は思った。
ドクン・・・また何か体の中から目覚めるような感じがした
いい感じはしないなと思いつつ僕は、机の引き出しに本を隠した
コンコン、失礼します、アルフレート様お食事の時間でございますとメイドが僕を呼びに来た
わかったすぐに行くと返事をし僕は、椅子から立ち上がろうとしたが、ドクン・・・体を揺さぶられるような衝撃のような感覚と目眩から床に倒れてしまった。
ドサッ床に倒れる音が聞こえ慌ててメイドが部屋に駆け込んできた。
アルフレート様、しっかりしてください、誰かアルフレート様がお倒れになったとメイドが顔色を変え叫んだ
早くゾルターン先生を呼べと執事やメイドたちが大騒ぎしている
アルフレート様を早くベットにお連れしなさいとメイド長が他のメイドに指示している
中庭の庭園を駆け抜け訓練場のそばの救護所に向かって駆けていく執事
ゾルターン先生!!ゾルターン先生!!ドンドンと乱暴にドアをノックする
何のようじゃい!いくら年取ったからって耳は遠くないぞぃ不機嫌な口調で怒鳴る先生
まことに申し訳ございません ゾルターン先生緊急事態なのです。
アルフレート様がお倒れになったのでございます
何、アルフレート様が?こうしちゃあおれんのう直ぐに支度して向かうぞぃと言うと先生は机の上の何種類ポーションと何冊かの本をカバンに詰めてものすごい勢いで駆けていった
執事の一人が先生を連れアルフレート様はこちらでございます。と寝室へと案内した
先生は意識のない僕の顔を見て脈を測り鑑定の呪文を唱えたが首をかしげる
何も異常がないのだから
では念のため、大いなるマナの母よここに彼ものを癒やさんハイヒール
強い優しい光がアルフレートの体を包んだ
これでいいじゃろうてわしは、ここでアル様の様子を見ておるなでの、なにか用事がある時は声を掛けるからの
そう言うとゾルターンはベットの脇に椅子を持っていき腰掛けた。
騒ぎが収まりしばらくするとコンコンと優しくドアをノックする音が聞こえる
ゾルターンは、なんじゃなとドアを開けるとそこにはアルの妹のルビィの姿があった。
ゾル先生アル兄様大丈夫なの?死んだりしないよねと不安な気持ちで泣きそうな顔をして尋ねた
ルビィ様大丈夫じゃよ このゾルがついておるからの 部屋に帰られてはいかがかな
あまり心配して具合悪くなったらアル様が心配するからの 安心しているのじゃぞ
ルビーナはコクんとうなずきアル兄様とまた遊びたいからいい子にしてるねと言い部屋に帰っていった。
必死に続編を書いております。つたない文章ですがお付き合いのほどよろしくおねがいします。