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ゲーム同好会(仮)  作者: MMM
マジシャンズ・アカデミア
54/59

マジシャンズ・アカデミア 15

『……ここは』キョロキョロ


「ここは我らが小平(しょうたいら)同盟!!」バーン


「如何にも!!我は正盛!!」バーン


「我は忠盛!!」バーン


「我は清盛!!」バーン



「「「セイ・チュウ・シン!モリモリモリ!!」」」ジャキーン



「待つのだ!小平同盟ども!」スタッ


「何奴!?」


「我々か……良いだろう!教えてやろう!」


「我はB!」バーン


「我もB!」バーン


「我だけQ!」ドーン



「「「B・B・Q同盟だー!!」」」ガッキーン


ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー!?


ピーマン が あらわれた▼


「ヒ゛ーマ゛ン゛を゛く゛え゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」ブンッ


「アグオアッ!!」グボォア


「忠ー!!」


「己ピーマンめ……覚悟ぉぉぉぉぉぉお!」


「ヒ゛ーマ゛ン゛う゛ま゛い゛た゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」


「うわああああああ」



『っ!?』バッ





ヒロヤ『……………夢……か……』














<ヒ゛ーマ゛ン゛

今回のクエストで自分の武具の錬金に足る素材を揃えた僕は嬉々としてあの購買部にきていた。


購買部のお姉さんの周りに浮いている沢山のウィンドウの中から『錬金』と書いてあるウィンドウをタップし、錬金する武器を出す。

錬金に使用する武器は『拳の間』で配布された『メリケン』を使い素材はアルマジロウの素材とギアゴブリンの歯車を用いる。


それぞれを規定数選択したので『錬金する』と表示してあるバーに触れる。


押すと錬金表示ボタンが掻き消え、代わりに『製作中』の文字が表示され、それの進行具合を表す黄色いバーが独特のメロディを奏でながらそこそこの速さで埋まっていく。

数十秒も待つと黄色いバーは完全にその許容範囲内を塗りつぶし、完成を告げるファンファーレを鳴らした。


普通にうるさかった。


その怨霊に顔をしかめつつもまた新たに仕様が変わった錬金ウィンドウを確認する。

そこにはさっきまであった黄色いバーではなく完成された新しい武器が表示されていた。


『メタリック・モーター』


それが『メリケン』から進化した僕の新しい武器の名前だった。


更に画面をタップすると『装備しますか』『錬金する』『終わる』と三つの選択肢が出てきたので僕は子どもみたいな好奇心が顔を覗かせていたので一番上に出ていた『装備しますか』を力強く押した。


若干のロード時間が過ぎて、先程まで僕の手を包んでいた白い何かは消え去り、そこに錬金したての武器が取り付けられていた。


それはメリケンから比べると指から始まり手首までがその下にあるであろう自分の肌を一切露見する事なく鉄に覆われているので、機械的な──いわば手首から先が義手になったかのような──自分の手が自分のものではなくなってしまったかのような不思議な錯覚が起きるものであった。

更に言うと、手首までが全て鉄で覆われているが、一部、手のポコッとしている所どけが妙に分厚い装甲で膨らんでいて、その先には攻撃仕様だと思われる薄い赤色をしたクリスタルが6つ填められていた。


クリスタル以外は全体的にショボい機械みたいな印象だが効果の程はと、僕は武器についているネームタグに触れる。


二秒もするとウィンドウが眼前で開き、その情報が細かく表示された。



──


───


────


……どうやらこの武器には二つのスキルがあるらしい。

その一つ目というのが武器についていた空き(スロット)に自分の使いたい初級魔法を入れると、その呪文が詠唱破棄出来るという──まああんまりいらないスキルだった。


いやだって初級魔法の詠唱破棄が出来るといっても詠唱なんて技名だけだしあってないようなものだししかもこのスキルの効果はこれのみなので詠唱破棄出来て尚且つ消費体力が抑えられる……なんてことは無いわけだ。


つっかえねー。


そんな使えない馬鹿みたいな残念スキルをお持ちのモーター君だが最後の最後に超絶有り難いスキルを持っていた。

それは拳に力を溜めれば溜めるほど威力が上がっていくというものでその最高火力は上級魔法一つ分に値するほどだ。

因みに上級魔法一つ分の威力を出そうと思ったら溜めの所要時間約……五分。

更に溜めれば溜めるほど威力は跳ね上がるが損耗率も跳ね上がるため多用できない。

他に溜め始めた所を起点に総合計距離10mしか動いてはいけないなどの制約も存在していた。


要約すると使えない。


超絶有り難いとかいったけどごめん。嘘。

ほんと使えないなこの武器。

最初の方の武器だからって性能キツくしすぎだろう。開発者マジふざけんな。ささくれてしまえ。

あ、いやでもヒロヤ──



『you got a mail. you got a mail.』


苦心と苦労を重ねてようやっと作った武器が存外使えなさすぎてささくれだってヒロヤ達を待たせていたことを忘れていた僕を一つの着信音と便箋の形をしたアイコンが思い起こさせる。


いきなりメールがきましたよといわれてもただただ焦るばかりで僕はメールボックスが何処にあるのかを必死に探して漸く見つけ出したのは鳴ってから十分後の事だった。

探している間にも何通かメールが来たが……あんまり見たくない、かな?


恐る恐る最新のメールを開いてみるとそこには『今すぐ学園長室前まで来て下さい』という文章が罵詈雑言に、鮮やかに、いやむしろどうやったらここまで自然に悪口を挟めるのか感心してしまうほど鮮やかに彩られていた。

だいたい七割悪口だった。


戦々恐々としながら猛ダッシュで学園長室前まで走っていくと扉の前に悟りを開きそうなほどの無表情を貫いているアキと傍目からみてもイライラしているのが丸分かりなヒロヤが立っていた。


あまりのあまりさに立ち止まらずそのまま走って通り過ぎようとした時アキが目聡く気付き足を引っ掛けにきた。

その威力は引っ掛けるじゃすまない程のもので軽くローキック並みの威力はありそうだった。


わざわざ掛かってやる義理もないのでハードルを飛び越えるように一跳びで越えてやると横から杖(剣が出されている)が顔の横に優しく(・・・)添えられた。


「今まで何をしていた……」


僕はこれがゲームの筈なのに肌が何か尖ったもので触れられているようなチクチクした痛みと喉と舌の根がカラカラに干からびているかのような錯覚に陥った。


「……言い訳を……」

「ならん」


顔に添えてあった杖は僕の頭を強かに打ち下ろした。


「……ッ!……痺れる……ッ!」



暫くうずくまって痺れを取り、その後メールの案件へと話を移した。


「……それでメールの呼び出しはどういう意味……?」


「ああ、それがよ……ヒロヤが言うには恐らく例の上級生と思われるヤツから勝手に命令されただけだってよ」


「まあ、喚ばれただけでどんな事が起きるのか分からないんだけどな」


そんな命知らずがいたのか。

もしかしたらあのイライラは僕のせいじゃなく命令されたのにイラついていただけじゃ……


「集まったようだな」


いきなり後ろから声をかけられたので驚いて振り向くとそこには先ほどまで噂をしていた例の上級生が佇んでいた。


「ついてこい」


そう言って僕達の間を割るように進んで少し大きめの扉を開けると学園長室の中には軍服を着た人や煌びやかな服に身を包んでいる人、そして僕達の学校のものとは色合いが違う制服に身を包んでいる人。

他にはそのどれにも当てはまらない質素なスーツを身にまとっている者まで実にバラバラな役職の人達が座っていたがそのどれにも共通するのが……皆揃いも揃って張り詰めた糸のような表情をしているのである。



──このとき、僕達の頭の中で『面等事』の三文字が全身を大きく使い踊っているのが嫌々ながらも、はっきりと分かってしまった。

何だかきな臭くなってきやがりましてきたのでございますですぅッ!



あっれー?おっかしいな~?

丁寧語と毒舌とドジっ娘口調を足したら足すだけ可愛くなると思ったのにならないな~?あっれれー?


でもご安心をっ!


前書き後書きが物語に影響するなんて事、あんまりありませんから!


from M2

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