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ゲーム同好会(仮)  作者: MMM
マジシャンズ・アカデミア
48/59

マジシャンズ・アカデミア 9

ピクミン2「ひ、ひっこぬかーれてー」ガタガタカダガタ


ピクミン3「た、戦ってー」ガタガタカダガタ


ピクミン2「たべー」チラッ


ボスパックン「」ズンチャ♪ズンチャ♪


ピクミン2「」トントン


ピクミン2「?」クルッ


オリマー「」ニヤァ


ピクミン2「あ、ああ……あああああああ」ガタガタカダガタ



<ピチューン

RPGによくある全長およそ3mはあろうかという青い一つ目の巨人、所謂ギガンテスに、僕は自分より大きいものに感じる本能的な恐怖と一緒に自分が御伽噺の主人公になったような高揚感に身を浸し震わせていた。


「……まあよくわからない騎士も一緒だけど」


小さく呟いたそれはヒロヤの耳には僅かながらも届いていなかったがアキにはちょっとばかし届いていたのか巨人を前に小走りに僕のいる方に駆け寄ってきた。


あ、ギガンテスがアキにラリアットした。


何故か敵を前にしながら敵の目の前を横切ろうとするアキをギガンテスはいいわけないだろうとばかりに左腕を振り抜いて居た場所まで弾き返した。

ギガンテスの太い腕に熱烈に歓迎されたアキはそのままワンバウンド、ツーバウンド……する前に空中でクルッと一回転して見事な着地を決め、更に一回転する間に一つ、風で作られた刃を正確にギガンテスの八つに割れたお腹に当て、文字通り一矢を報いていた。


……………はあ?


この所行には僕もヒロヤも開いた口が塞がらずむしろここがゲームの世界でよかったと心底思った。

現実世界で似たようなことされたら僕達の顎は恐らく外れているだろう。

それぐらい……なんというか吃驚した。とにかく吃驚した。

ゲーム見てうわ、すげー!って思うことは多々あれども人見てうわ、すげー!って思うのは久しぶりだった。

いっそアキが蝶のように舞い蜂のように刺すのを遠くから映画か何かを観ている感覚で傍観したい思うぐらいすごかった。

現実世界でのアキの運動神経は僕達の比ではない(一度体操部からしつこく勧誘されているのを観たことがある)

それもあるとはいえ……正直もうこんなに動けるとは僕達は思っていなかった。

運動神経の化け物「アキ」である。


華麗な着地(+α)を決めたアキの周りには何かよくわからないけどキラキラしている物が見えた。

彼の有名なベルサイユの百合ぐらいアキの瞳もキラキラしているように見えた。


キラキラ瞳のアキは自分のHPゲージ(本人からみたら左上、僕達からみたら頭の上)を確認し、相手のHPゲージ(モンスター全てに表示されている)を見比べると一言。


「目ん玉ぶち破ろうと思ったんだけど……うまくいかねーな……」


自分の実力の低さを嘆いてか頬をポリポリ掻いて呟くアキの姿にはもう後ろに太陽があるんじゃないかと言うぐらい輝いていた。

運動神経の化け物「シャイニングアキ」に改名した方が何かといいのではないだろうかと思い始めた。

思い立ったが吉日というだろうからぼくだけでも今日からそう呼ぼう。


閑話休題。


防具もまともに揃っていない状態で攻撃力の鬼とまで言わせせしめたギガンテスの攻撃はやはりと言うべきでアキの体力をこれから自分達が攻撃する際には慎重しようというくらいの不安感を抱かせた。

そして先程の攻撃は棍棒をもっていない素手での攻撃だったので棍棒なら更に削られるだろう。

そこは素直にラッキーと喜ぼう。


ただ攻撃力の鬼にはありがちのスピードはそこまで速くなく、もっと言えば遅いくらいだろう。

予備動作も今までしてきたゲーム経験から予測するに長いくらい。

落ち着いて弱点の一つ目(多分)を攻撃すればなんてことはないのだが……弱点に届かないのが俺達の弱点なのである。

ヒロヤだけは飛んで攻撃出来るが僕とアキは飛んでいけず、且つアキはまだボウガンを手に入れてないので武器による弱点攻撃は出来ないが、まあこれは武器のみに限った話なので距離が足りなかったら魔法で狙い撃ちすればいいだけの話である。


思考もそこそこついにギガンテスがアキに向かって走り出した。


「うわっ!すっげー迫力!」


アキは必死になりながら後ろ向きに全力で走り風の刃をギガンテス目掛けて連発する。

そしてそこは流石というべきか変な走りをしているせいか精度はてんでバラバラだったがその全てをギガンテスの体の何処かに当てている。

ギガンテスはそれを受けて少し怯んだもののHPゲージは少ししか削れておらず、残りはまだだいぶと残っている。

それにアキしか攻撃してないからかプレイヤーを狙う優先順位を決める値、つまりはヘイト値がアキにしか溜まってないご様子のギガンテスは僕とヒロヤには目もくれずアキを追っかけてる。


逃げ続けているといってもダンジョン内なので必然的に動ける範囲は外と比べて狭くなってしまう。

アキは壁際まで追い詰められる、ギガンテスが棍棒を振り下ろした後の硬直と棍棒が重いのか一々振り上げる時間の合間を縫って後ろに回り込む、風の刃連発、を繰り返しており疲労度を示す顔色がすでに最高警戒レベルの青になっている。

アキ自身もさっきから肩で息をし始めている。

大分とステータスも下がってそうだしそろそろ動けな……

「さっさと働けアホ共ッ!!」


シャイニングがついにアキた。

否、アキがついにシャイニングした。


僕達のあまりの不動明王ぶりにアキは痺れを切らしてしまったのか生来の癇癪持ちなのか判断に困るところだが僕達が怒られたのだけはわかった。

そして当然僕達の答えは



「「だが断る」」

「はっ倒すぞてめえら」


なんなんだよ……ったく、冗談が通じないやつだな……


アキの冗談の通じ無さに心底残念だがここまで言われたら仕方がないのでなんとも言い難い今にも動き出しそうなダイナミックな立ち方を止めて戦闘準備に入る。

因みにヒロヤは空中でやって新しい立ち方をしていた。この時初めて僕も翼人族にしておけばよかったなとちょっと悔やんでしまった。


なんとか立ちを解いた僕は未だに頑張り続けるアキを尻目に悠々とウィンドウを開いて練武館で戴いた武器を装備する。


えっ?なんで初めから使わなかったのかって?

良い質問だね!

それはね、武器ごとに『損耗率』ってのが設定されてあるからなんだよ!

ほら、包丁だって使い続ければ刃こぼれしたり切れ味が悪くなっちゃうでしょ?

それをシステム化したのが損耗率ってものなんだ!

わかったかな?

あ、後もう一つ!

愛用の武器が使い続けて壊れてしまわないように救済策として『簡易武器回復役』や『簡易研ぎ石セット』後は学園の武器販売店で研磨を依頼すれば元通りになるよ!

ただし!

学園で依頼する場合はお金がかかっちゃうので要注意★


──以上アキでも分かる簡単武器講座レベル1-3でした。


そんなこんなでダラダラして観戦しているとアキの顔が青から濃い青にさらには今度は薄くなっていき顔面が蒼白に変わっていった。


確かこのゲームを始める前に開発者直々にレクチャーしてもらった記憶によれば……蒼白になってから3秒動き続けると疲労度が完全回復するまで動けなくなるらしい。


…………あっれー?


『アキの顔が青から濃い青にさらには今度は薄くなっていき顔面が蒼白に変わっていった』



『──蒼白に変わっていった』




『──蒼白に』




これは駄目やもわからんね。



そう悟ると同時に今まで動きっぱなしだったアキの足はピタリととまり崩れ落ちるように片膝をついた。

そこを狙い、ギガンテスは大きな棍棒を振りかぶった。


「シャイニングアキ!!」


これにはさっきまでふざけていたヒロヤと僕だがやや焦り急いでアキの方を向いているギガンテス目掛けて攻撃を開始した。


ヒロヤは水の魔法で振り上げたままの棍棒を縛り付けほんの少し空いた時間で僕はアキの前まで駆けつけた。


「…………」


近くにきてみると分かるものがあり、アキの顔はそれはそれは酷い有り様だった。

思わず「うえー……」ってなるぐらい酷かった。

まるで死人かゾンビか。

そこまでいかないまでもそれに近しい感じはする。

いや、でもテストプレイだから色々な事をしなければいけないから……これで僕達の課題が一つ減らされたよ。ありがとうアキ。


「水の魔法がきれるぞ、気をつけろよ!」


少し離れた所から届くヒロヤの声が僕達に注意を促した。

見れば振り上げた棍棒が僕達を目指して振り下ろされようとしていた。

僕はアキを抱えてその攻撃線上から外れ、ひとまずの休息を得た。


「…………」


「……寝ているのか死んでいるのか……どっちだろう……」


顔色がだいぶよくなったアキをそのまま脇にやり僕は急いで『振り上げようとしている棍棒』の上に飛び乗った。

棍棒の上に跳び乗った瞬間にタイミング良く僕は上に、正確には『ギガンテスの目の前』に勢い良く弾き跳ばされた。

目の前まできた僕は跳ばされた勢いそのままに、拳を緑色をしたモヤらしきもので包み、拳の間で習得した『ナックル専用技』を弱点(多分)に繰り出した。


速拳(クイックナックル)


普通に殴るより倍の程速い速度で打ち出された緑色に包まれたメリケンはギガンテスの無防備に晒しているパッチリとした二重瞼の一つ目に心地良い打撃音を響かせながらクリーンヒットした。


やっぱり目が弱点だったようで、自由落下していく時にギガンテスのHPゲージを見れば魔法一つ当てるよりも確実に減っているのがわかった。


「……まああれだけわかりやすく『振り上げる』なんて行動してたら誰だって弱点攻撃の糸口見つけられるよね……」


ヒロヤとアキが頑張って攻撃を当ててくれていたお陰でギガンテスのHPゲージは半分を切った所まで追い詰める事が出来た。


「……!……!……しゃー!完全回復だー!やっと動けるぜー!」


脇の方で片膝立ちのまま疲労度の回復に努めていたアキは漸く治ったらしく凝り固まった体を解すように肩やら腕やら首やらをグルグルと回していた。


「そういえばダント……好きなドラマを中途半端にネタバレされた時ぐらいさっきからずぅーっと気になっていたんだが……シャイニングアキってのは誰だ……?」


「……聞き間違い。僕はそんな事言った覚えはない」


「いや、でもよ」


「ほら、ダントにアキ。敵の真ん前でお喋りって馬鹿やってないで下がってこい。一旦態勢を立て直すぞ」


「……俺の聞き間違いなのかな……」


「……きっとそう」


喋りながらも足は動かし、ヒロヤに言われたとおりにギガンテスから一気に距離をとって間合いを遠ざける。


向こうの体力は後半分。

加えてこちらはアキのダメージのみ。

回復剤も沢山ある。

弱点も知っている(確信に近い多分)。


「……負ける要素が見当たらない」


「だな、ちゃちゃっと片付けてボウガン買いに行くぞ!」


「ダントはナックル、アキはボウガン……俺だけ決まって無いんだよな……まあ帰ってからでいいかな……」


「うっし!んじゃ速攻で行くぞヒロヤ、ダント!」


「「おう!」」

いやーつっかれましたー!


つっかれたのでMさんさん!頑張って!


真面目にならないM2でしたー!

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