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ゲーム同好会(仮)  作者: MMM
ドラゴナイト
28/59

ドラゴナイト 15

久しぶりにルカが出てきます

っていうか初めてまともに喋ります

鍛冶屋の親方も喋ります

M1でした

 装備の強化。

 たしかにそれは尤もだが、宿屋を活用しまくった(その際のダントの笑劇は触れないでおこう)ため、もうルカと約束をした2週間が過ぎている。つまり武器が完成しているわけだ。

 まあどのみちクエストを始めるために鍛冶屋へは行かなければならない。その時にもらえばいいだろう。

 というのをダントに話すと、ほんとは小さなイケメンは「そういやそうだな」とコメントした。

「俺らが防衛戦で貰った装備も結構良かっただろ。とりあえず、店売り最強手前くらいの性能は欲しいわな」

「ルカってまだ見習いだろ? それはハードル上げ過ぎだと思うな」

 俺の否定に、「ハードルは上げるもんなんだよ」というよく分からないセリフを言って、ダントはさきに歩き出す。

 そこで最後まで聞き役に徹していたマイケルがぽつりと呟いた。

「リア充は爆死しろ」

「「いやいやいや!」」

 さすがにこの発言には俺とダントの両方が突っ込みを入れる。

「お前もヒロイン居るだろ!?」

 ダントが言葉を引き継いでくれたが、マイケルには効いていない。

「まあ、なんつーかさ。お前らのヒロインみたいに店行けば会える訳じゃないんだよな」

 効いていないどころか反抗までしてきやがった。

 選んだのはお前だろうが!

 と言いたくなるのをこらえて、俺はアキの背を押して城の出口を目指す。

 馬鹿広いんだから、ワープポイントくらい作っとけよな。

 後から聞いた話だと、重要な部屋や施設には「転移陣」とやらを通ってしか行けないようだ。なんでも防犯上の理由がどうとからしい。

 そっちのほうが不用心だと思うよ? だって鍵が無くても入れるんでしょ?

 しかし盗みや侵入されたことはないらしく、うまいことなってるらしい。

 

 城を出て、10分もしないうちに俺たちは鍛冶屋にたどり着いた。

 他の店と比べて重厚な扉がはまっているのに、中からはカンカンとハンマーが鉄を叩く小気味良い音が連続的に漏れてくる。

 武器をもらうイベントは前回に語ったような気もするので割愛するとして、俺とダントは出来の良さに正直驚いていた。

「まさか、店売り最強(この町に限る)の二倍とはね」

「まったくだ。お前について行って正解だったぜ」

「良く言うよ。選択肢が出たときは逃げようとしたくせにさ」

「ナンノコトダッケ」

 俺たちが馬鹿をやっていると、後ろから無音で伸びてきた手がカッと開かれ、あろうことか俺の顔面をがっしり掴んできやがった。

「ツヨーい武器を手に入れて喜ぶ気持ちは分かるけどさぁ。騎士団長様の直々の仕事だよ? まずはそっちから片付けよーよ。ね?」

 これがアイアンクローというやつか。

 顔の半分に暗い影を落とし、口調だけは明るくアキが続ける。

「俺なんてさ、大枚はたいて店売り買ったのに、それを歯牙にもかけない性能の武器とかでてくるんだぜ? 嫌になるよな」

 隣ではダントも同じように拘束されているのか、がくがくとうなずく気配が漂ってくる。

「い、イベントは一期一会だからな。特ににこのゲームでは、とりあえず首を突っ込んでみた方が得な場合が多いんだ」

「なんで先にいわねーんだよ。お前は俺らよりもこのゲーム詳しいんだろうが!」

「すいません!」

 アキの見た目は、使用武器であるシリングサイスと同じく途中で買って来たという見た目ボロボロ(だけど高性能)な外套によって、まさに死神然としたものだった。

 なんだよ? 俺たちが何をしたって言うんだ!

 しかし理不尽に対する抗議を俺がする前に、太く静かな声がアキを止めた。

「小僧、武器なら、儂が同じ値段で店の3倍に伍するモノを作ってやろう。素材はそちら持ちだがな」

 いわんや、ここ鍛冶屋グリムロックの親方である。

 屈強なドワーフにしか見えない親方は、伝説レジェンド級の攻撃力がありそうなハンマーを肩に担いで俺たちを睥睨している。

「ルカの奴も、外見などに拘らねばまだまだ性能は上がるというのに。頑固な弟子だ」

 互いに頑固と言い合う師弟は見ていて微笑ましいが、俺達がここに来た一番の理由は武器を受け取りに……じゃなくて依頼の詳細を聞きに来たのだ。

「えっとですね、俺達は軍に出された依頼を受けてきたんですが、詳細を聞かせてくれないでしょうか」

 このままでは埒が明かないので、俺が代表して前へ出る。

「ああ、あの事か。別の説明もあって少し長くなるが聞いてくれ」

 曰く

 良質な武器を作るためには当然良質な金属が必要な訳で、普段は知り合いの製鉄所から金属を仕入れているのだが、最近の調査で町の東にある鉱山に、希少なアラカトレ鉱石が埋蔵されているらしい事が分かった。

 本来であれば店を休んででも自らの手で採りに行くのだが、大量の発注が来ているためそれもできない。であるからして代わりにとって来てくれる人手を探していた。というわけだ。

「アラカトレ鉱石ね」

 聞き終わって、典型的なお使いクエストだなぁと、俺は典型的な感想を持つ。

「なあ、そのアラカトレ鉱石ってのを使ったら、この二人よりも強い武器作れるのか?」

「もちろんだ。希少金属の名は伊達ではないわい」

「よし! 俺たちに、いや俺に任せな! 必ずその鉱石を採ってきてやるぜ!」

「いや違う。今回小僧らに頼むのは、鉱石を採ってくることではなく、確実に埋蔵されていると確認してくることだ」

「どう違うんです?」

 アキが下がって、代わりに俺が質問を引き継ぐ。

「そもそも素人がどうにか出来るほど鉱山は甘くはない。しかしアラカトレ鉱石は透明度のある蒼色が特徴だからな、それらしいモノを見つけたら片っ端から拾って帰ってきてもらう」

「それを調べて、アラカトレ鉱石かどうか確認するってわけか」

「その通り。あとは大勢でいって供給路を確立する。

 調べによれば、あの鉱山には大量のアラカトレ鉱石が眠っている可能性が高い。できればその場所も探してもらいたいんだが、あそこは魔物が出るからな。あると思われる深いところには強力なのもいるだろう。無理はしないでいい」

「先遣隊、ってところかな」

 後ろの二人からも納得した雰囲気が伝わってくる。

 同時に、その大量に眠っている場所も見つけてやろうという気概も。

 当然だ。クリアするなら完全に。先遣隊なんてちゃちなものではなく、俺達で充分な結果を持ち帰ってやる。

「アラカトレ鉱石って、純度が高ければ高いほど、蒼く透き通るらしいの。ね、ヒロヤ。その鉱石の欠片、私にも一つ拾ってきてよ」

 工房の奥で片付ける振りをしながら聞き耳を立てていたらしいルカが、話が終わったのを見てここぞとばかりに入ってくる。

「ああいいよ。綺麗なのがあったらな」

「ほんとは私も付いて行きたかったんだけど、親方に止められちゃった」

 そういってルカは舌をペロっと出した。

 壊滅的に可愛いじゃないか。

 これは、なんとしてでも鉱石の在り処を特定せねばならない。

 決意を新たに俺が出ていこうとすると、チャッカリしてるというかシッカリしてるというか、ダントがすっと前へでる。

「なあ親方、成功報酬を聞いてないぜ。」

 おおう。すっかり忘れてた。これは俺の過失だな。

「報酬は、見つかった鉱石を使って武具を一通り鍛えてやる。無償でな」

「「「マジか!」」」

 三人の声が見事にハモる。

 だとすると、俺とダントのルカズシリーズもだが、アキが大枚をはたいて買ったシリングサイスはこのクエストが終わればもう日の目は見れないことになる。

 なんて可哀相な。なんてタイミングの悪い。

「希少な鉱石を打てる機会などあまりないからな、ルカにも手伝わせるから少しばかり仕上がりは悪くなるが、試供品とでも思えば気にならんだろ」

「あ、それどういう意味ですか親方!」

「言葉通りの意味しかないわい」

「むー……」

 師弟漫才を始めた(?)2人をよそに、俺達は簡易作戦会議を行う。こういう時に口火を切るのはダントだ。

「どうするよ。どこまでこのクエスト踏み込む?」

「鉱石の欠片さえ持ち帰れば達成みたいだけど、多く埋蔵されている地点を見つけることがボーナスに関係してくる可能性もある。多く見つければ、それだけ作ってもらえる武具は良くなるだろうし」

「ちょっと待て。見習いが普通の素材で作ったのがあんだけの性能だったんだから、親方が希少な素材で作ればもっと強いわけだよな」

 なんだよ。話を止めるほどのことか?

「まあ、そうなるよな」

 そんな質問にもダントは律儀に返答する。

「つーことは、だ。俺のシリングサイスはデビューしてすぐに引退することが既に決まっているわけだな」

「まあ、そうなるよな」

「くっそ!」

 地団太を踏むアキもよそに置いて、俺とダントで会議は進行する。

「で、どうするよ」

「最後まで見つければいいんじゃないか? 強い魔物が居るっていっても、俺とお前には市場の2倍性能武器があるし、アキだって武具もまとめて新調してきてる。俺らも防具は買ったわけだしな」

「じゃあそういうことで。……おいアキ。そろそろ行くぞ」

「しゃーねな。これも運命か。終わったら売りに出そう」

 無慈悲な宣告を受けたシリングサイスに黙祷……。

「おぬしら、くれぐれも気をつけろよ。先日の襲撃もそうだったが、最近どうも魔物の動きが活発になっている。まあルカの気に入った奴がいるなら大丈夫かもしれんが」

 気にいった奴?

「もう! 何言ってるんですが親方! 別にヒロヤのコト気になってないですって!」

「儂は別にあの小僧の名は出してないんだがな」

「あー!! ほら、いっぱい発注が来てるんでしょ! はやく終わらせましょうね!」

 大声で言いながら、ルカは親方を鍛冶場へ繋がる扉の中に押し込んだ。そこで俺たちの視線に気づいて視線を左右に泳がせる。

「べ、別に、いまのは親方の勘違いと言うか! 気になってなんかない……わけじゃないけどやっぱりそうじゃなくて! うぅ~…………早く行ってきなさい!!!」

 一周回ってパニックになったルカは、握りこぶしでレジカウンターをドンと叩いた。

 そのあと痛かったのか微かに目に涙を滲ませるのがまた可愛いんだな。困ったことに。

 後ろから、ニヤニヤオーラと共に背中を指で突かれる。……ダントのは恨みでもあるのか中途半端に痛い。

 何か言え、ってことだろ。わかってるよ。

 選択肢が表示されるのは、最初のイベントだけなのだろうか。あれで好感度の基礎が決まり、そこからはフリートークで上げていく。どうもそんな感じらしい。

 面倒なゲームだ。

 俺は覚悟を決め、戦闘時以上の緊張感を持って、しかし一切の不自然さやぎこちなさを出さないように言葉を発する。

「ああ、じゃあ行ってくる。必ず綺麗な欠片、持って帰ってくるから。約束な」

「あ、うん。その……行ってらっしゃい」

 ルカのはにかみと言葉に送られて、俺達はグリムウッドを出た。

 その後鉱山に至るまで、鉱山で最初の魔物に出会うまで二人に弄られ続けたのは言うまでもないだろう。

 なんで街道で魔物出てこなかったんだよ!!!


親方って、別に老けてるわけじゃないですよ

4~50代で、筋骨隆々一歩手前の偉丈夫です

一人称が「儂」なのはキャラ付け(とか言っちゃ駄目!)


結局クエスト内容しか決められませんでしたが、とりあえず3人は鉱山までは辿り着いたっぽいので適当に強敵でもぶつけて苛めてやって下さい

以上M1でした

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