メール
ケータイのバイブの音とともに
君色のライトが私の期待をふくらます。
たいしたメールしないけど、
素っ気ないメールってわかってるけど、
君からメールが帰ってきた。
それだけで繋がってる幸せを感じる。
こんなこと君に言っても
「おおげさだよ。」
なんて冷静に返されちゃうよね?
『おはよう』
『おはよう。』
『今日も寒いね!』
『そうかな。』
『今、英語の授業中なの』
『ふ~ん』
『お弁当食べてるよ』
『俺も。』
『先生に怒られちゃった』
『そっか』
『帰りのバスにのったよ』
『よかったね』
『今日の夜ごはんカレーだったよ』
『へぇ~。』
『お風呂入ってた!』
『俺も行ってくる。』
『ねぇ?』
『何?』
『やっぱ何でもない。』
『そっか。』
『おやすみ。また明日』
返事が返って来ないと、不安になる。
私がおやすみって言ったのに、
私がまた明日っていったのに、
君が離れていってしまうような感じがして。
高校も頭の良さも身長も顔も、
君には不つりあいな私だから、
君が何考えてるのか、何を見てるのか。
私には何もわかんない。
それがたまらなく不安。
でもその不安を君はちゃんと裏切ってくれる。
もう一度君色のライトが光った。
『土曜日空けといて。おやすみ』