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紀元3000年代  作者: 木苺
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紀元3000年代の娯楽

ここまでの話から 起源3000年代の暮らしというのは、閉鎖的な日常生活で 人の生き方が管理された 息苦しい社会というイメージを持たれる方も多いのではないかと思う。


しかし 実際には・・


15歳になると、学習用ツールであった機器の活用範囲が広がる。


毎日1時間限定で 音楽を聴いたり映像を見たりといった 娯楽目的での使用ができるのである。


さらに18歳で成人すると、与えられる機器が、学習用ツールでなく、娯楽ツールとなるのである。


利用時間は2時間と制限されるのであるが、その制限時間内であれば、通信ツールとして利用することも フルダイブ型ゲーム機器として使うこともできるのである。


ただ 通信やゲームといった双方向性の通信を行うには 各自に割り当てられた時間帯のみという制限がかかるのであるが、これは 回線の混雑を避け、メンテ負担を減らすためという公共の福祉の為であるから、全員が それに協力するのが 共同体としての掟であると 子供時代にきちんと教えられていた。


但し その利用時間の詳細に関しては 各自の予定に合わせて1か月前に1か月単位でのスケジュール変更は可能であった。


やはり自然と共生の第一次生産活動においては 農繁期・農閑期、あるいは 漁業における旬といった 自然により 労働時間の変動はつきものであるから。


逆にいえば 自然の波に合わせた生産活動を年間通して俯瞰して、自分の毎日の生活を組み立てることを子供時代にしっかりと学び身に着けてこその成人なのである。


そして 成人以後の娯楽こそが 人生の喜び! という人々が多いのが3000年代の特徴であった。


毎日2時間 世界中をバーチャル旅行してまわり、多くの人々と出会い 交流する人生


毎日2時間 フルダイブ型ゲーム世界で冒険・活劇を繰り広げる人生


中には 晩熟型の研究者として、毎日2時間 専門的研究に取り組む者もいた。


遠方に行ってしまった幼馴染とコミュニケートするのも良し

あるいは ネット上で親しくなった人に、ヘッドカメラをつけて自分の町を実況中継のように案内してもらいつつ、互いに会話をして 二人でバーチャルお散歩を楽しんだり、さらに発展して 実地で会いに行き、互いに意気投合すれば結婚するのもありである。


あるいは ネットワーク機能をフル活用して、妊娠・出産・子育てといった人生のステージごとに 同じ体験をわかちあったり 愚痴をこぼしたり なぐさめあう仲間を その都度 新たに、あとくされなく得ることもできた。


 子育て仲間との関係は、その時期ならでは 共通の体験と話題で盛り上がり、心強く感じることもあるが、

 長く付き合うほどに 各自の家庭の事情や子供達の成長の度合いによって、お互いの間に隙間風が吹く、時には嫉妬や妬みといった悪感情も発生しやすいものであるから・・


期間限定の「同じステージを生きる仲間同士の連帯感」を大切にする一期一会精神のほうが 気楽で有意義であったりもするのである。


・リアルにおいては 生産活動を共にする共同体との 実利も絡んだつきあい


 ネットを媒介として、しがらみのない 自由意志に基づく交際


この二種類のコミュニケーションを使い分けることにより、日常生活をより円滑に

個人としての精神的自由度も保ちながら、

リアルとネット社会両方において 節度ある交流を楽しむ

それが 期限3000年代を生きる人々の毎日であった。





実はこのあと 本題のVR運営者とか、ネットワーク管理者とか、VR利用者の物語を展開するはずだったのですが・・

ぜんぜん構想がまとまらないので とりあえず その前提となる社会の物語として「完結」といたしましす。

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