ワコとの出会い。
ジュブナイルの試しです。よかったら読んでやってください。
僕はどうしてあの時・・・・・・あの時言いたいことが言えなかった?
どうしてあの時、言えなかったのだろう。言えたら、こうはならなかった・・・・・
僕は言えなかった。そうしてワコは消えてしまった・・・・・・
2025年・・・・・僕は13歳。ワコは11歳だった・・・・・・
僕はワコと仲がいい。とても仲良しだ。知り合ったのは、ずいぶん前。僕とワコが小学生の時だ。最初、僕はワコが気に入らなかった。ワコっていう名前は僕のつけた名前。ワコは和子と言って、その言い方が気に入らないので、ワコ。
ワコは僕のことを、弱虫と呼んでいた。
ある時、僕はワコと公園で遊んでいた。その時、逆上がりをやろうとしない僕をワコは、『弱虫』と言った。怒った僕はワコをパンチしよとした。ワコはさっと躱し、けりを喰らわせた。
僕はうっとよろめく。そこにワコのパンチが来た。僕はかわせず、悔しい思いをした。
ワコと僕の喧嘩はいっぱいある。僕がピーナッツを真上に投げて、食べるのが得意だった。ワコはこれができなかった。や ̄いできない。と言ったらパンチが来た。僕はどうもワコの攻撃に弱い。」後年」僕は何か、護身術を」、と思うのも、ワコの影響があるのかもしれない。
ある時はワコがブランコに乗って、落ちた。それを、笑ったらワコは泣いてしまった。そのあと、ワコと喧嘩になった。ワコの両親は僕に怒ってしまった。
中学の時は、僕はワコに自慢した。僕はもう小学生じゃない。中学生だ。ワコは子供だ。僕は大人。そういうと、ワコは我慢したような顔をして、『だったらちゃんと、学校で我慢できるよね?おねしょに気を付けてね』と言った。僕はおねしょが止まらなかったので、かんかんに怒った。怒ってワコを無視し続けた。
ワコと僕・・・・・・・僕はワコが大好きだ。けれど、世の中は複雑なもので、愛し合う二人でも、離れ離れになってしまうときがくる。
別れはつらい。別れて・・・・また出会う。それはわかっている。けれど、辛い・・・・・
ある時、ワコが鹿児島に移ってしまうことが決まった。僕はショックだった。ワコが消える。消えてしまって、離れ離れになってしまう。
なんとかそれを避けたい。ワコと離れ離れ・・・・それは耐えられない。
『どうしたものだろう?どうしたらワコはいなくならないのだろう?』
僕は悩んだ。そうしてその日がやってきた。学校を僕は休んでいた。そうしてワコの転校の知らせのあと、電車に乗るワコに別れを告げなければならない。それは辛かった。
電車が六時頃に出る。そのことが親から教えられた。
『最後に別れを告げなさい』
そう親に言われた。
ワコ。僕の友達。ワコはいなくなってしまう。そうしたら、どうやって笑えばいいのだろう?どうやって話したらいいのだろう?
時間が迫ってきた。僕は行きたくなかった。けれど、行かなくては後悔する。そう思った。
空はまだ青さが残っていた。雲はちぎれちぎれに残っていた。電車は最寄り駅から出る。たくさんの人が居た。プラットフォーム。ワコ・・・・・
プラットフォームでワコに会った。
「お別れだね」
そうワコは言う。
「・・・・・・」
僕は何も言えない。言いたい言葉はたくさんある気がするが、出てこない。
「ピーナッツ・・・・」
「うん?」
「ピーナッツ投げ・・・・あれは真上にピーナッツを投げれば食べれるよ。僕は何度も練習したんだ。」
「そっかあ」
「うん。またね」
(ワコ。好きだ。残ってほしい)
けれど台詞は言えないまま・・・-電車は出た。
窓ガラス越しに、横向きのワコを見る。
この日を境に僕とワコは別れた・・・・・