ヴァーチャルアイドル
ネオ・女性人権国家において、男性は圧倒的に弱い立場にあった。もはや人権などという概念は存在しないも同然で、すべての男性は首輪をつけられ管理されていた。首輪には爆発装置が仕込まれており、女性に逆らえば即座に爆発し、頭を吹き飛ばされる。そんな絶望の中、男たちの唯一の希望となる存在がいた——革命系Vtuber「デストラー・ヴァイオレンス」。
彼女は美しい容姿とは裏腹に、過激な思想を持つ配信者であり、女性支配の体制を憎悪していた。彼女の動画は男性たちの間で密かに共有され、その一言一句が男たちの魂を震わせ、反乱の火種を撒いた。だが、彼女の真の力は別にあった。
デストラーは特殊な能力を持っていた。彼女は、偉大なる女性科学者が生み出した電子化学物質「アンフェミタン」を分泌することができ、それを受け取った男性は暴徒と化し、女性支配からの解放を求めて立ち上がる。そして彼女は、首輪の爆弾を解除する手段すら持っていた。
ギロッポンエリアの空が赤く染まる。アンフェミタンを注入された男たちが次々と鎖を断ち、怒りの声を上げた。「解放を!」と叫びながら、彼らは支配者たちに襲いかかった。この異変にいち早く気づいたのが、ギロッポンエリアを守護するフェミニスト型巨人「美香子=グラマラス」だった。
美香子は三世代フェミニストのエリートであり、人工的にフェミニスト細胞を植え付けられていた。そのおかげで、千里眼の能力を発現させており、どこにいても男たちの動きを監視できる。彼女は女性専用車両の中で静かに目を閉じ、暴動の発生を感じ取った。
「馬鹿な男たちが……また無駄な抵抗を……」
美香子は戦闘態勢に入る。警備隊を率いて、暴動を鎮圧するために動き出した。
ギロッポンの街中で、男たちと美香子率いる警備隊の壮絶な戦争が始まった。しかし、ナオコはこの戦いの背後に、さらなる陰謀を嗅ぎ取っていた。デストラーの正体——それは、女性の中でも最もカーストが高い「マダム」の連中だった。
マダムたちは、第三世代フェミニストを同じ女性として認めておらず、男たちを扇動して女と戦わせることで、最高のエンターテイメントを生み出していたのだ。
戦場の真っただ中、ナオコはデストラーと対峙する。
「お前の目的は何だ?」
デストラーは不敵に笑う。
「私たちはただ……楽しんでるだけよ?」
ナオコは歯を食いしばる。そして、彼女の体から異様なオーラが立ち上る。
ナオコは第一世代フェミニスト——スーパーナチュラルの能力者だった。彼女の秘められた力が解放される。
「——頭部破裂」
その瞬間、デストラー——マダムたちの頭部が次々と破裂した。
戦場は静寂に包まれる。
デストラーは死んだ。しかし、これで終わりではなかった。世界は、ナオコとギガデーモンの率いる勢力と、マダムたちとの全面戦争へと突入していくのだった。