血の夜明け
豪奢なネオンが輝く国営賭博場の扉が開く。ナオコとギガデーモンが足を踏み入れると、フロアでは女たちが優雅にワインを傾け、男たちは競りにかけられていた。
「お前にとってギャンブルとは?」ナオコが静かに尋ねる。
「女王たちの娯楽。そして男どもの墓場よ!」
ステージの上、巨大な影が動いた。250kgの肉塊、マダム・ボインが玉座のような椅子に鎮座していた。
「お前の持つすべてを賭けなさい。そして、勝負の果てに泣くのよ!」
ナオコはギガデーモンを賭け、ポーカー勝負を挑む。フロアに響くビート。女たちのコーラスが始まる。
♪「私はデブじゃない! 見られたくないだけ このセクシーなライン~!」
(複数の女が「月曜日のたわわ」を引き裂きながらダンス)
ナオコは銃を抜き、リズムに乗るように撃ち放つ。
♪「誰もお前らのことなんて見てない 送るぜ開示請求 お前らみんな青ざめて黙る!」
ポーカーのカードが次々と場に置かれる。ボインの表情が険しくなる。
「ふん、いい腕ね…だが、この場では私が法よ!」
ナオコはボインの隠し札を見抜いた。
「お前の手札…全部仕組まれてるな。終わりだ!」
観客の女たちがどよめく。ボインの額に汗がにじむ。
「くっ…!」
ボインの手札は確かにエースのフォーカードだった。しかし、ナオコが見抜いたのは、ディーラーと示し合わせていた巧妙なカードすり替えの瞬間だった。
ナオコはボインの目をじっと見据え、静かに宣言する。
「お前の時代は終わった。」
ナオコは手札を伏せた。ロイヤルストレートフラッシュ——絶対に勝てる札だった。
「そんな…バカな!?」
ボインの顔から血の気が引く。女たちはどよめき、ギャンブル場の空気は一変した。
「勝者、ナオコ・ブラッドリー!」ディーラーが宣言する。
観客が悲鳴と歓声を上げる中、ナオコはギガデーモンの首輪を外した。
「賭博場の支配権は私のものだ」
轟く歓声。そして、女たちの怒号。ボインは崩れ落ちた椅子から震えながら立ち上がる。
「ナオコ・ブラッドリー…お前、何者だ…?」
ナオコは煙草を吹かしながら、ゆっくりと応えた。
「ただの男だ。」
その瞬間、警報が鳴り響いた。賭博場の外に、装甲車と武装した女兵士たちが迫っていた。