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始まり始まり

「もう出発するのか?レイン。」

「うん。そろそろ行かなきゃ。お師匠様が待ってるし。」

「……そうか。」

「お父様、そんな悲しい顔しないでよー。」

レインは困ったように笑ってみせた。

「今生の別れになるかもしれないって思うとつい……な。」

「ちょっと!失礼ですー。必ず生きて帰りますー。」

そう言って、レインはふてくされる。

「すまん、少し弱気になった。ソータさえも敵わなかった魔王を倒しに行くんだからな……。」

「大丈夫だよ。私たち、強くなったもん。」

くるりと身をひるがえす。

「じゃあ、行ってきます!」

「ああ、いってらっしゃい。」

駆けていく背中は小さくとも、大きなように見えた。



「お師匠様すいません!父が別れを惜しんでいて……。」

「大丈夫、そこまで待ってないよ。ったくもう…あの親バカは……。」

顔に手を当て、ため息をつく。

「じゃあ、いこっか。魔王討伐の旅へ!」

ここからが物語の始まりだ。

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