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勇者は。

「勇者『ソータ』よ。どうか、この世界を魔王『グリーディア』から救ってくれ。」

現実世界で死んでしまった俺は、こうやって女神から懇願されてた。

異世界に召喚されて、勇者一行として、冒険、修行をして、早数年。魔王に相対した。

「ソータっ!!!」

魔王は、魔王であった。

生まれながらにしての魔王に、数年程度の修行の俺が敵うはずが無かった。

魔族は、数千年も生きている。

当たり前だ。敵うはずなんかなかったのに。

調子に乗った。

「勇者だ!」「救世主だ!」なんて行く先々の町の人たちに、もてはやされて。

転生した時のギフトは、宝の持ち腐れ。強大すぎて、使いこなせなかった。

いや、こんなのは、言い訳だ。

自分の力不足だ。

はは!死ぬ直前ってのは、思考が速くなるんだな。走馬灯なんかも

―ドチャッ―


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