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認識阻害の魔法。

 ちょっと、やばい?

 ——うん、ちょっとやばいかも。っていうかやっぱり彼ボクを視認してるよ。ほんとまずいかな。

 念話でそう話すフニウとあたし。

 あたしは彼を見て固まっちゃってるし、その肩に留まるフニウもぬいぐるみのふり? をしてるけど今更遅い?


「なあ、ルリア・フローレンシアなんだろ?」

 改めてそうもう一回確認するように声を出すカウラスに、あたしは思いっきり首を振った。


「いいえ! チガイマス! 人違い? ジャナイデスカネー?」

 もう声が若干裏返ってて、おまけにカタコトになっちゃった。


「その肩のは……?」


「はい? これはぬいぐるみデスよ? 怪しくないですよ?」

 あう。もう自分で言ってて何を言ってるかわかんなくなってる。


「では、ワタシはこれで〜。ごめんなさい!」

 そこまでいうとばっと振り返って、あたしは思いっきり駆け出した。もちろんフニウを胸に抱くのも忘れずに、だ。


 あー、どうしよう。

 人前であんな魔法使っちゃったら怖いことになるって言ってたばっかりなのに。

 走って走ってもういいかなって思うまで走って。

 建物の角を曲がったところであたしは変身を解いた。

 変身している最中は身体能力もかなり上がるしいっぱい走ってもそんなに疲れない。

 おまけに普通の人には追いつけないくらいの速さで走れるから、きっと振り切ったはず。

「ねえ、ルリア、苦しいよ。ぎゅっと抱きすぎ」

 フニウがそう声をあげて。ちょっと冷静になれた?

「ああ、ごめんね。フニウ、ふわふわだからぎゅっとしてないと落ち着かなくて」

「もう。ボクが腕の中にいたの忘れかけてたでしょう?」

「そんなことないって。ほんとごめんってば」


 あたしが腕の力を緩めると、フニウはするするっと腕から逃れて目の前に浮かぶ。

「うーん。これからは認識阻害の魔法も使ったほうがいいかもだよ?」

「え?」

「変身している間、周りからルリアだと認識されなくなる妨害魔法。見たままじゃなくて、違った姿で認識されるようにする魔法さ」

「そんなのあるの?」

「誰にでも通用するわけではないんだけどさ。なんていうの? 催眠魔法みたいなもの? ヒュノプスっていうギアの権能なんだけどね?」

「ヒュノプス?」

「アークやアウラみたいにいっぱいいるギアじゃないからそう都合よく使えるギアじゃないんだけど、とりあえず君だったら扱えそうかな。眠りを支配するギアだから、悪用しちゃいけないよ?」

 はう。

「耐性のある人間だとレジストされやすいしかなりのマナを必要とするから、変身する時には別の魔道具を用意してマナを貯めておく必要もあるかな。どうしよう」

 ああ、それなら。

「お母様に貰ったペンダントがあるの。子供の頃お守りがわりにって貰った魔石のペンダント」

 あたしは胸にかけてあったペンダントを出して見せた。

 お守りだってずっと身につけてたアメジストのペンダントを。

「ああ。これなら。マナを溜め込むには充分だ。それでもこの大きさだと半刻が精一杯かもだけどね」



 ☆☆☆☆☆


 今後は油断しないよう認識阻害の魔法を使うとしても。

 どうしよう?

 明日カウラスの顔を見るのが怖い。

 あたし、ちゃんととぼけられるかな。

 あれは別人。

 それで通さないとだし、ね。


 ちゃんと嘘をつけるのか。すっごく不安だ。

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