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センチメント。

 今日はなんだか色々あったなぁとか思い出しながらの帰り道。

 桜はすっかり散って、今はもう緑色の葉桜になっている。

 この間の雨のせい? 路面を覆っていたピンクの花びらも、もうすっかりと取り除かれた。

 あれはあれで綺麗な絨毯みたいで好きだったんだけどな。そんなことを思いながら。


「はう。随分とセンチメントに浸ってるね。君はもっと鈍感かと思ってたよ」


「ああ酷い! フニウ! いくらなんでもあんまりだわ!」


「ふふ、ごめんね。そんなに怒らないで。でも、君は感情のコントロールを学ばないとだからね?」


 はう。


 ってことはわざとそんなことを言ったの!?


「まあ、それもあるけど。君はからかいがいがあるからさ」


「やっぱり! もう許さないんだから!」



 学校の誰も周囲にいなくなったところで姿を表したフニウ。あたしの前をふにふにと浮かんでるだけなのに、妙に素早いの。


 あたしが捕まえようと手を伸ばしても、するっと避けてふにふにと目の前で浮遊してる。


 まあでも?


 フニウの姿はきっとクラスの皆には見えないだろうけどね?


「そうでもないよ」


 え?


「少なくとも数人はボクを見ることができる人、いそうだけど?」


「そうなの?」


「うん。今日の廊下にいたカウラス? 彼だったら多分ボクのこと見えただろうね」


「えー?」


「それだけ魔力特性値が高いってことさ。きっと空中のキュアでさえ、その権能を発動している最中なら見えてるかもね?」


 あうあう。


「だから、要注意、だよ? 決して人が見ている所では魔法を使わないこと。少なくともギアを介在した魔法は発動しないこと。いいね?」


「でも……」


「でも、じゃないよ? 君の魔力は規格外なんだから。そんな規格外の魔力を平民の君が持っているって知られたら」


「怖い、よね?」


「怖いじゃ済まないよ? 王宮にでも知られて実験材料にでもされたらマリカに言い訳ができないよ」


「それって、お母様が怖いってこと?」


「それもあるけど、君の身を心配してあげてるんだよ? もうちょっと感謝してもらいたいよね」


「うきゅう。もう。しょうがないなぁ」


「あ、ルリア、待って」


 え?


「そこの角、魔の気配がする!」


 ええー?


 こんなところに?



 あたしは目を凝らしてフニウが指し示す場所をよく見た。


 ああ、やっぱり。


 黒い靄みたいなのが曲がり角の手前に湧いている。


「まずいな。魔が湧きそうだ」


 フニウのその言葉とほぼ同時に。


 その靄から黒い塊が飛び出すと、狼のような姿になってこちらを威嚇するように吠えた。

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