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そっくりな。

「ルリアさん? 貴女少し調子にのってるんじゃなくて?」


 授業が終わり廊下に出たところであたしは大勢のお嬢様方に囲まれた。

 そのまま階段の踊り場まで連れて行かれ、そして前に出たエーリカ・マフガイア様がそう脅すようにあたしを睨む。


「調子にのるだなんて、あたしそんな……」

「少しくらい魔力のコントロールが上手いからって、貴族じゃ無い貴女には意味がありませんのよ?」

「そうそう。わたくしたち貴族はこの魔力のコントロールを学び国家のお役に立つ義務がありますの。あなたのような平民と違いましてよ」

「どうせ貴女なんか大した魔力も無いに違いありませんしね。授業を受けるだけ無駄だわ」

「そうそう。平民のくせに少しくらい魔力があるからといってこの名門セントレミーに通わさせて貰えるだけでもありがたいと思いなさい。自分は特別だなどと思い違いをしないことね」


 エーリカさまを筆頭にシルビアさまリーフィさま方お嬢様数人にそう詰め寄られ。

 あたしは無言で俯いていた。


 うん。でも。前みたいに心に黒い靄が出てくることはない。

 あたしの心も少しは強くなったかな。そんなふうに聞き流していると。


「なあ、そこを通してくれないか」

 と、冷たい声がお嬢様達の後ろから聞こえた。


 はっと振り返りバタバタと散っていくお嬢様方。ってそこにいたのはカウラス? それも本物の方のカウラス・カエサルだった。


「あ、ありがとうございますカエサルさま」


 あたしは彼のその冷ややかな眼差しを直視できず、目を逸らしたままそうお礼を言った。


「いや、俺はここを通りたかっただけだから」


 そのぞくっとするような低音ボイスに身震いしているうちに、彼はさっとあたしの横を素通りしていった。まるで本当にただここを通りたかっただけかのように。

 そんなはず、ないのに。


 あのタイミング、どうみたって困っていたあたしを助けようとしてくれたに違いないのに。


 でも、どうして?

 やっぱりジルベール殿下に言われて、かな?

 まあそれでもそれはそれで、ありがたかった。

 やっぱり優しいな。

 今度はもっとちゃんとお礼をしなきゃ、そう思う。


 それにしても。


 やっぱりジルベール殿下とカウラスは似てる。

 髪の色が違うのと服装、そして極め付けはあの眼鏡。

 白銀の、まるで氷の様なカウラス。

 黄金の、天使のような印象の殿下。

 そこに眼鏡が加わると、もう180度違った印象になる。

 顔立ちはそっくりなのにね。


 あたしはあの雨の夜のジルベール殿下を思い出し、なんだか心が暖かくなるのを感じていた。

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