花咲く魔法。キュア・フニウ。
第二話目。
スタートデス♬
「ほら、そっちに行ったよ」
「うん、わかってる」
あたしは目の前の黒いシミみたいな塊を追いかけ空を滑る。
浮遊魔法と急制動のテクニックを組み合わせ滑るように移動するラピズの魔法。
足元に空気の塊を履いたような感覚で、滑る。
高速で移動しながら手に持った魔法の杖をそのシミに向け叫ぶ!
「マジカル・キュア・サブリメイション!」
金色の光が杖の先より放たれ、そしてそのシミの塊があった場所に向かって飛ぶ。シミはふわふわとその光を回避してまた反対側に飛んでいった。
「もう、ハズレ。もっとしっかり狙って!」
「あーん、そんなこと言ったって。こんなに素早く動く的に移動しながら当てるなんて」
「ルリアは目で見て当てようとしてるからダメなんだよ。見るんじゃないよ。感じるの」
うー、もう。
フニウはいいよね。そうして喋ってるだけなんだもの。
「あー。そんなこと言っていいの? ボクは君が一人前の魔法少女になるために教えてあげてるのに」
って、声に出してないのに!
「ルリアの心なんて漏れ漏れだよ。声に出して喋らなくたって聞こえてくるんだもの」
あーん。もういや。
「はい、そこ!」
あたしはヤケクソで杖を向ける。
光の粒子が渦を巻いて飛び出し、そしてシミの塊を直撃した。
「あは。やったぁ」
「うん。良くできました」
漆黒のシミは金色の粒子の渦によってかき消され。その場の空気が清浄に変わるのがわかる。
ふう。
こんな調子であたしに魔法少女なんか務まるのかなぁ。
☆☆☆☆☆
お母様がこの世界の混沌を浄化するお仕事をしているって知ってから、あたしも、自分の中に眠るこの力が世界の役に立つのなら嬉しいな、そんな気持ちが湧いてきて。
「あたしも、その魔法少女っていうのに成れるかな?」
そうお母様に尋ねてみた。
教えてあげようかっていう言葉に反応したのもあるけどね。
そしたら、
「なれるわよ。あは、ルリアならかわいい魔法少女になれそう。キュアがきっとあなたの力になってくれるわ」
そう言うと空中に大量のキュアを集めたかと思うと。
その金色の粒子は次第に一つの塊となり。
現れたのがこの子。キュア・フニウだ。
本人曰く、自分はキュアの上位の存在で魔法少女のナビゲーターなのだという。
そんなミルク色の猫のぬいぐるみみたいなフニウ。それからと言うもの彼女はあたしの先生を買って出て、こうして休日は実践練習と称してこの間の空間で混沌の一部、漆黒のシミを相手に魔法の練習をしてるってわけ。
間っていうのはあたし達がいるこの現実空間と魔界のある裏の空間との間にあるそんな隙間の空間らしいんだけど、ここだとこうしたシミは結構頻繁に滲み出るし通常の空間には迷惑かけないしでこういう練習するにはもってこいの場所なのだという。
お母様は相変わらず忙しそうに各地を巡っている。
あたしも頑張って少しでもそんなお母様の手助けができるといいな。
そんな風に感じていた。




