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蒼い瞳。

「マリカに会いにきたんだ」

 カウラスがそう言った。

「君の後をつければマリカに会えると思って」

 と、そう。


「カウラス様は、お母様のことご存知なのですか?」

 あたしはそこがとっても不思議で。


 彼はタオルでその金色の髪をくしゃくしゃって拭うと、「母上に、聞いたんだ」とボソッと言った。

 あれ? 彼の髪ってこんなに金色だったっけ? 学校でみた時はもっと白っぽく、銀色っぽく見えてなかったっけとかちょっと疑問に思いながら。

 ふざけた様子ではなく真剣にこちらを見る彼の瞳に、あたしはなんとも言えない気持ちになる。っていうか彼は美男子すぎるのだ。思わずちょっとくらくらしながら。

「ごめんなさい。お母様は今お仕事で外出中なの。多分今夜には帰ってくると思うんだけど」

 と、そう答える。


 眼鏡を外したカウラスは、ジルベール殿下にもよく似ている。

 あまり周りとお話ししたりしない殿下に変わりいつも対外的なことをこなしている感じだったカウラス。あ、でもこれだけ似てるならいざというときには身代わりとかも務められそうだよね? そんなこともふと思いつく。不敬だと思うから口にするのは踏みとどまったけど。


「そっか。じゃぁもう少し待ってみてもいいか?」


 笑顔でそう話すカウラス。っていうかその眼鏡って伊達だったの?

 雨に濡れてベタベタになって現れてからのカウラスはまあタオルで拭くのに邪魔なのだろう眼鏡を外したままだった。今もそんな眼鏡のなしの顔で微笑まれるとその破壊力がマシマシで。


 あたしはダメとはいえなかった。





 不思議な雰囲気を纏ったそのカウラスに、あたしは意を決して聞いてみる。


「カウラス様のお母様って、うちのお母様とお知り合いなのです?」

 と。


 お貴族様の、それも教会の本山にも深く関わり、政治家としても高名なカエサル家。そこの奥様がうちのお母様と知り合いだなんていうのもなんだか信じ難いけど。


「いや。知り合い、では無いはず、かな」


 へ?


「なら、どうして……?」


「この時間軸、この世界線では未だ接触は無いはず。っていうかうちの母上はマリカが近くにいることすら気がついてないよ。僕は子供の頃に聞いたマリカの話、それが事実かどうかを確かめたかったんだ」


 はい?


 ああ、そういうことか。

 お母様の伝説のような逸話。人々の意識から魔王の混沌の記憶が消え去っても、それをうっすら覚えている人もいる。カウラスのお母様もそのうちの一人、っていうことなのかなぁ。




「僕の母上はマリアンヌ。もしかしたら、君は僕と兄妹として生まれてくる世界線だってあったかもしれないんだ」


 え?


 はうう?


 彼が口にしたその衝撃的な発言に、あたしの頭はしばらくフリーズして。


 その蒼い瞳に吸い込まれるように、その耽美で整った彼の顔を凝視した。

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