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第72話 王都王立学園

さあ、いよいよ迷宮探索だ。


最終チェックして足りないものを迷宮ショップで揃えて学園に向かうことに。そう。迷宮ショップと言う名のアイテムショップだ。ド直球過ぎて聞き返したけど間違いない。


昨晩、シャロンさんから必要な物を買っておくって言われたけど、自分で見たいに決まってるだろ?迷宮ショップだぜ?何かしら面白そうなものが売ってそうじゃないか。


と言うわけで学園の正面にある店のドアを開けると、いかにもな冒険者だけでなく貴族冒険者もちらほら見える。そこそこ儲かっているようだ。お。言ってるそばから双眼鏡発見。うん、買おう。幸先いいな。


今回は野営も予定しているのでテントも買う。テントなんて小学生のキャンプ以来だ。ちょっと上がるね。


結局3人用の黒色のテント2つと、魔石のランタン、魔獣の毛皮を使った寝袋を購入、ポーション、魔力回復液、聖水を購入。結構足りないものがあった。随分と物入りだよな。まあここでケチって死んじゃったら目も当てられない。


迷宮ショップを出ると、正面は由緒正しきレンガ作りの学園がある。大学のキャンパスの様に広い。


本来ならば12歳から俺もここに通うはずだった。卒業資格も必要かと思ったので陛下に相談もした。そしたら学園と協議し特例で学科免除という話になったと言う訳だ。それはそれで非情に有難い話なんだけど、本当はこっちでも友達と学校生活をしたいと思ってたんだけどな。たぶん、ほとんど来ることも無く卒業するんだろう。


と思っていたら馬車は正門を通り過ぎた。


「ん、正門から学園に入らないのか?」


「正門からこの馬車で行くと目立っちゃいますから」


どうやら、王族専用の馬車なので正門ではなく裏門へと回るようだ。


裏門に着くと、門兵に入門許可書を提示して、裏門をくぐりぬけてから馬屋に馬車を止めると歩いて本館へと向う。


今から、学園長への挨拶と、迷宮での注意事項の講習があるようだ。


「学園の事を少し聞きたいんだけど、どんな授業内容なんだい?」


「この王都の学園は、次世代を担う人材を育成する為に作られました。貴族の他にも、王宮騎士などを目指す生徒も学んでいるので座学の他剣術、槍術、闘術、弓術などといった実践講義も選択できます」


流石は王都の学園だ、まんま大学じゃないか。


職員室に立ち寄って、受付を済ませてから学園長室へ向かう。ドアノッカーを叩いてから「シャロンです。入室しても宜しいでしょうか」と、声を掛けた。


「どうぞ」


「学園長。この度は迷宮を私達の為に空けていただいて申し訳ありませんでした」


マイアはそう言った後、頭を下げたので、俺達もまた倣い頭を下げた。


「ご機嫌麗しゅう姫殿下。皆様もようこそ当学園にいらっしゃいました。頭を上げて下さい」


そう言われたので頭を上げると、魔法使いと思われる老紳士がグレーのカーテンを閉めて、近くにやってきた。


「ヴェルグラッド君とジュリエッタさんだね。話は陛下から聞いております。私はこの学園をお預かりしているレミスト・ファングと申します」


学園長は、格調高い魔法使いがかぶるようなとんがり帽子を脱ぐと、貴族風に自己紹介をした。学園長の肩書きは伊達では無い。なんと言うか、選ぶ言葉は普通なのに重厚感があって風格を感じさせる挨拶だ。


『老眼鏡が少しずれなかったら百点満点だったのに惜しい』


学園長は帽子をかぶり老眼鏡のずれを直しながら喋り始める。


「それでは、時間が無いので挨拶はこれまでと致しましょう。今から第三講義室で迷宮についての説明があります。面倒でしょうがこれも国の法規で決められた事。お付き合いいただきます」


「はい!」と返事をすると学園長は頷き歩き出した。


第三講義室では若い女性の教諭がすでに待っていて、机に必要なテキストが三人分置かれていた。促されるまま椅子に腰を下ろした。


「それでは、レイラ君。後は宜しく頼んだよ」


「はい。学園長」

「それでは、今から迷宮について必要な講義を行います。私はこの学園の迷宮座学を担当しているレイラ・グスタフと申します。本日は宜しくお願い致します」


レイラ教諭はそう挨拶をすると迷宮の基礎知識の説明が始まった。


講義は長かった。

話を要約すると、まずこの学園にある迷宮は10階層あり、5階層ごとにボス部屋がある。1階層~5階層は洞窟ステージで各階層の攻略ペースは約1~2時間。6階層~10階層までは森林ステージで戦闘が長引かなければ2時間と説明された。


魔物のランクはランダムで、1階層~5階層はEランクまでの魔物、6階層~10階層まではDランクの魔物が出現するようだ。ボスは固定で5階層のフロアボスはオーガ。10階層のボスはミノタウロスの派生であるアルケロスとの事だった。


迷宮は進化し変化する為地図は無く、もし作ってもひと月ほどて無駄になる。


「質問なんですが、迷宮はどのように進化をするのでしょうか?」


「そうですね。洞窟なら分かれ道が増えたり、行き止まりが増えたりする程度ですね。その間は、セーフティゾーンでやり過ごすか、迷宮から一旦出る事をお勧めします」


「予兆とかあるのですか?」


「聞いたところでは迷宮が変化する2時間前に地鳴りのようなものがするとか。ただ、私は聞いた事がありません」


この学園迷宮もつい1週間ほど前に変わったそうだ。


移動する目安として地図の代わりに迷宮コンパスと言うものがあるそうだ。魔力濃度を測り方向を教えてくれる。迷宮は下に下がるほど魔力が高いので、魔力の流れをコンパスが検知するとか。


その後は低確率でゲット出来るアイテムの話、冒険者ギルドでも説明を受けた、魔物を素材を剥いだあとの死体処理の義務。


各階層に下りる途中にあるセーフティゾーンの話、ボス部屋から出たら転移の石碑があるとの説明を受けた。


討伐部位に関しては、今回はギルドからの討伐依頼ではないため必要ないそうだ。


さあ。講習が終った。

いよいよ迷宮だ。

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