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第68話 冒険者登録

いつもより長いです。設定みたいな話ばかりで申し訳ない。

次の日、3人だけで冒険者ギルドへ行って準備を進める。


3人旅のリハーサルだよ、とじいやさんと護衛のシャロンさんとレリクさんには馬車で待機してもらったけど、ぶっちゃけ子供とおじいさんと、いかにも現役入り混じった6人でゾロゾロ入ったら悪目立ちするからな。


ギルド会館はあいかわらず閑散としている。


動線の邪魔にならないように設置された依頼ボードの前には人っ子ひとりいやしない。ギルドの目的が各領地の色々な集計業務ってのを差し引いてもこれはひどい。


カウンターに目を向けると「なぁ、今晩暇だろ~私達と一緒に飲みにいこうぜ」と、貴族冒険者がギルド嬢をナンパしていた。


「業務中です。やめてください」


ギルド嬢は顔を引き攣らせて断っているが、貴族冒険者はしつこく迫っていた。いや、そこ邪魔だから。


「お兄さん達。受付をしたいのでそこをどいていただけませんか?」


どこの貴族かは知らないが、ギンギラギンのフルプレートアーマの青年がこっちを見る。全然さりげなくない。ただ下品だ。


「おい!このギルドはいつから保育所になったんだ?」


「本当だなこりゃ!ママのおっぱいでも吸ってな」


ほう。あの見事な双山を知っていると?ふむ。あれはいいものだ(最近は見たことは無いが)しかし、反応がベタすぎる。新人いびりならもうちょっとひねって欲しかった。と思ったら後ろから強烈な圧が。


振り返るとマイアだ。なんだか凄い闘気を纏っていた。気がした。いや、闘気とか見えないけど。


「あなたがたが、どれぐらい偉くて強いのかは存じませんがこの国の恥!名を名乗りなさい」


マイアがそう言うと、その冒険者は腰に手を当て「お嬢ちゃん。なんで君みたいな…ん?っておい!!」言い掛けて気が付いたようだ。貴族冒険者は顔を青くしてorzの格好となって頭を床に付けた。


「姫殿下!!ご無礼をお許し下さい」


ほう~これがこの世界の土下座なのか!!


「へ~、マイアが王女様だと今更気が付いたんだ~それに気付いて態度を変えるなんてあり得ないわね」


ジュリエッタが追撃に参戦をすると、貴族冒険者は更に顔を青くする。


「まぁいいじゃないの。時間を割くほど暇じゃ無いし」


「ヴェルがそう言うなら許して差し上げますって言いたいですけど、王家の者として許すわけはありません。もう一度学園に入り直してモラルを学び直しなさい!!」


「はっ。お許し下さい」


貴族冒険者は逃げるように冒険者ギルドを出ていった。上級貴族が集まるギルドと言うのに、ああいった傲慢な輩もいるとは……


貴族冒険者を見送り、受け付けカウンターの方へ振り向くと、マイアがギルド嬢に先ほどの冒険者の名前を聞いていた。頼りになる、と言うか思ったより導火線が短い。危険物取り扱い注意っと!マイア、キミはいくつ顔を持っているんだい?


「お姉さんも大変だね。陛下から聞いているとは思うけど」


「はい、伺っております。ギルドプレートの発行ですね。その件につきましてはギルド長が対応しますので別の職員がご案内いたします」


と、ギルド嬢は緊張した面持ちで答える。


別の職員がすぐにやってくると、カウンター横にある通路から出てきて奥の扉を開いた。


「皆様方、こちらへどうぞ。ギルド長がお待ちしています」


奥の扉を進み、その先の部屋で職員がノックする。


「お客様をお連れしました」


「入って貰ってくれ。くれぐれも言うが丁重にな」


おれ達に聞こえる様に言う必要があるのか?あるんだろうな。婚約者の二人も苦笑いだ。


ギルド職員が扉を開けると、大きな机に書類が山積みされている。ジュリエッタの屋敷で計算した事を思い出すな。懐かしい。


部屋は、国旗が置かれていて、壁には賞状や地図などが貼られてた。ん~校長室だなこりゃ。職員に促されてソファーに腰掛ける。


ギルド長は椅子から立ち上がりこちらへやってきた。


「姫殿下、ご機嫌麗しゅうございます。この度はこのようなむさ苦しい所に来ていただいて恐縮でございます」


「そんな挨拶はいりませんわ。それに、私だけに挨拶すりなど他の者に無礼ではありませんか?それに私達は、先ほどロゼット伯爵家のご子息に絡まれました。職務中のギルド嬢に声を掛けていたようですが、このギルドでは一体どんな教育をなさっているのですか?」


顔は怒ってはいないが機嫌が悪い。目が笑ってないし。


「色々とご迷惑をお掛けして申し訳ございません。ロゼット伯爵については抗議文を送っておきます。以後このような事がないように、目立つ場所に貼紙をして周知徹底を促しますのでお許しを」


それでもマイアは大層ご立腹で、最初からやり直すよう命じていた。そこにTPOは無い。


「私はこの冒険者ギルド長を任されている、ロン・フェルズと申します。以後お見知り置きを」


それから、儀式的な自己紹介をすると本題に入った。


「陛下から前もって連絡をいただいており、すでにギルドプレートは用意させていただいております。後はパーティ名を登録するだけになっておりますがお決まりでしょうか?他のパーティと重複しないよう一度お聞かせ願いませんか?」


「蒼天の道標と言う名前を考えているのですがどうでしょう?」


「そのパーティ名なら聞いた事がありませんので大丈夫ですね」


名前については昨日の晩に三人で話し合い、神様の示した道、と言うことで採用されたわけだが、オレとしてはもう少しかっこいい方が良かったな。とは言えカッコいい強そうな名前だと、名前負けするかもしれないし、この先パーティを組むのは全員女性なようなので、彼女らの言うとおりにしといた方がいいだろう。


しかし、オレ一人に女性が4人、夢のハーレム状態だけど、なんか、こう、ヒャッハー的な気分にならないのはなんでだろ。贔屓目に見なくても美少女に囲まれているはずなんだが…


それから、詳しくギルドについて説明を受ける。このランクが世界共通なのはラノベの設定と同じだ。

ギルドランクはFランクから始まりSランクまである。個人別のランクとパーティランクもあるらしい。よくある設定だ。よし。次っ


冒険者ギルドに入る特典?として、素材の買取りが適正価格が受けられるし相場も教えてもらえる。需要と供給の差があるので毎週相場は変動するそうだ。


魔石の買取は法律で冒険者ギルドしか買取が出来ないとか。どうやら不正防止のためらしい。


以前にシャロンさんに聞いたとおり魔石を落とす魔物にはランクが設定されていて、魔石の大きさでランクが決められている。


そして魔石を提示=即買取というわけだ。90パーセントの魔物が落とす魔石は全て無色透明で、魔石士が魔法を付与しないと魔道具として機能しない。


残りの10パーセントの内の5パーセントは光の魔石と浄化の魔石で、光の魔石は夜光蝶、浄化の魔石は浄化スライムが100パーセントの確率で落とす。


残り5パーセントはレイスが落とす結界石などで、とても希少価値が高く国が高価買取中。


まぁ、希少価値が高い魔石や、薬草、素材は辺境にあるとか、魔物が強いとか、遭遇率が低いなどクエスト自体の難易度が高く達成しにくいので、国からの依頼でギルドのボードに常に貼ってあるそうだ。


ギルドから発行されるクエストの依頼を達成した場合のみ、討伐証明として指定の討伐部位を提示しなくてはいけないらしい。面倒だが、依頼料も上乗せされるので一度で二度お得と言えなくも無い。


もちろん薬草の採取やドブ掃除、迷子の捜索などの依頼もあるので、Fランクの駆け出し冒険者はこれらの依頼からこなす。一定数をこなせばEランクに上がれると説明があった。


俺達は、いきなりDランク迷宮からスタートできるが、それは陛下の力で許可されている。当然自己責任な訳だけどホント、ルール無視のやりたい放題だ。超法規的存在。それが勇者パーティなのだ。


ちょっと後ろめたいけどな。うん。国のためだよな。うん。


それはそれでCランク以上の冒険者は試験もあるようだ。学科試験もあるようだが学園に在籍していれば免除される。実技試験は免除されない。あたりまえか。


続いてパーティランクだが最高6人まで登録出来て、個人ランクの平均値がパーティランクとなる。組めるパーティランク差は±1まで。つまりBランクのシャロンさん、レリクさんと俺達はパーティは組めない。


理由はそれなりに合理的で、俗に言われるパワーレベリング防止策だ。まあレベルが高いだけで経験不足の冒険者は命を落とすから。どこにでもレベルでマウント取れると勘違いする人はいるしね。


これも冒険者保護の一環だろう。ギルドボードに貼ってある依頼は、ソロでもパーティでも一つ上の依頼までしか受けらない。


デメリット以上にパーティを組むメリットが大きいと4つの特典が説明があった。


①経験値の割り振りが自動で均等に分割される。(攻撃に参加してないと無理。当たり前か)

②味方の魔法攻撃回避。(味方の攻撃魔法で死ぬのはゴメンだ)

③50m以内の念話。(携帯電話みたい。念話なら心の内がバレたらどうしよう)

④100m以内の仲間のいる方向が分かる(GPS機能か?)


と、どれも有用で素晴らしい内容だった。これだけのメリットがあるのだ。そりゃパーティを組まない理由は無いだろう。


「質問なんですが、もし仮に、自分のランク以上の魔物と出会い討伐した場合はどうなりますか?」


「そうなれば審議となるでしょう」


「審議とは?」と聞いて見ると、ギルド長が他のギルド職員と話し合うとのことだ。合議。組織的検討。ぇ?最悪倒した魔物も倒さなかったことになるの?いいのか?それで。


理由を聞いて見ると、あと1撃で倒せる魔物を横取りしたりする不届き冒険者がいるのだとか。魔石の買取が冒険者ギルドでしか出来ない法律も、それを防ぐための道義的なとこからきてるらしい。


なので、実力、つまり、ちゃんとその魔物をパーティー(個人)単独で倒せる実力があるのかを判定するための審議であるってことだ。そうか、それならわかる。


パーティ登録は水晶に手を乗せて行われる。ドックタグのようなギルドプレートを利き腕に持ち、水晶に手をかざすと説明があった。


「それでは、水晶に手を乗せ水晶が光りましたら、そうですね、ヴェルグラッド様、パーティ名を言って下さい。プレートに書き込まれますから」


そう説明されたので、俺達は水晶に手を置くとほどなく水晶が光る。


「蒼天の道標」


そう言うと、プレートが一瞬光る。どんな原理かはわからん。それでいい。これはファンタジーなのだから。


こうして無事にギルドに登録は終了した。


ちなみに表示は、


ヴェルグラッド・フォレスタ CLASS F

BONE レディアス王国 TEAM 蒼天の道標 

BLOOD-TYPE 火 BIRTH 488.11.18


と刻印されていた。英語表記なのは脳内翻訳と言う事にしといてほしい。


その後は、冒険者としてのマーナー7か条を罰則を交えて説明された。要約すると、


1、他人の戦闘中に、無闇に手出しをしてはいけない。(最高刑で3ヶ月の謹慎処分)

2、逃げて魔物を他の冒険者に押し付けてはいけない。(最高刑で無期懲役)

3、命の危険を感じたら、魔除けの聖水を自分に振りかけて逃げる事。(聖水の携帯は義務となっていて、迷宮に入る前に提示義務あり)

4、もし、他の冒険者に助けを求められたら、余裕があれば助ける事。(自分を犠牲にしてまで助けなくてもよい)

5、魔物の死体を放置すると疫病のリスクがあるので、欲しい素材がある場合は剥ぎ取った後に、必ず浄化のタクトで処理をする事。(最高刑無期懲役)

6、人に攻撃をしてはいけない(殺した場合は、最高刑で死刑)

7、キャンプをする場合は、火の扱いに注意する(火の後始末をしない場合、火事になったら最高刑で死刑)


との事だった。随分と罪が重い印象だが死に直結しやすいこの世界。当然か。


気になったのは、浄化のタクト。冒険者ギルドでも売っていて、パーティで最低ひとつは携帯義務があるそうだ。疫病が流行るのはマズいからな。


初心者冒険者に貸し出しもあるらしいが、買取だと小金貨5枚と安くは無い。3人分をその場で支払っておれが代表で受け取った。小さいので邪魔にならない。


ちなみに魔石はビビが入ったら蓄魔出来る回数が残り5回なので、速やかに交換すると言う事である。


以上。長かった。やっと講習も終ったので、俺たちは冒険者ギルドを出た。

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[気になる点] 5.魔物の死体は放置すると →しないこと では?
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