表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/141

第114話 ステータス偽装

MP(+1000)とランク評価のE⇒Cは実際はCしか見えていません。分かりやすく表現しただけですのでご了承下さい。

神界から帰ってくると、ベッドの傍に先に戻ったクルムさんが立って俺の顔を凝視していた。


「起きた?ヴェル君!今のは夢!?」


「落ち着いて。夢じゃないからとりあえずここからは念話で話しましょう。わかってます?誰かに知られたらクルムさん死んじゃうんですよ?」


すると、なんかいろいろな感情が押し寄せているのか、ふるふる震えたかと思うといきなり抱きついてきた。血を吸われたばかりで賢者モードの俺は冷静に引き離す。


(クルムさん、落ち着いて。ちゃんと話すから一旦離れて下さい)


(ああ、ごめんね。ちょっとさっきのが夢じゃないと思ったら居ても立っても居られなくて。でも、私がこんなに興奮してるのにどうしてヴェル君は冷静なのかな?)


(さっき神様から聞いたんですけど、吸血族に血を吸われると性欲が抑えられらしいですよ。だからですかね?じゃなかったら押し倒していたかもしれませんね。ははは。子どもだけど)


(もう。全然子どもっぽくないくせに…)


と、クルムさんは離れてベッドに腰掛ける。


「ヴェル君。私、興奮してまだ寝られそうもないから、リビングでお茶を付き合ってくれないかな?」


「そうですね…ベッドの上だと落ち着きませんからそうしましょう」


と、クルムさんは苦笑いするとコーヒーと紅茶を用意してくれた。


(さっきのことは本当に夢じゃないのよね?)


(じゃないですねぇ。どうしても信じられないならステータスカードを確認して下さい。種族がセンイトバンパイアになっているはずですから)


クルムさんは、自分の部屋にステータスカードを取りに行くと俺の横に腰掛けた。さっきはトイメンだったのに。きっと一緒に見て欲しいんだろうな。


(いくよ)


ステータスカードに魔力を流す…


名前:クルム 


種族:セイントバンパイア


年齢:65


職業:★大魔法士(魔法士Lv60)


レベル:47


称号:魔道を求める者


MP 3200/2200 (+1000)


ランク評価


物理攻撃:D


物理防御:D


素早さ:E⇒C   


魔力攻撃:C⇒B


魔法防御:C⇒B


魔力操作:B⇒A


スキル:全属性攻撃魔法(中) ☆飛行 ☆気配察知 ☆聖魔法 ☆アイテムボックス(5t)


驚くことに、MP+1000 ランク評価が4か所上がり、聖魔法とアイテムボックスのスキルを取得していた。



(わあ。これが私のステータスなの?ただヴェル君の血を吸っただけだよ?)


(僕の血には勇血といって神様の血が流れているんです。その血を吸ったんだから聖女に選ばれる資格が与えられるって神様が言ってました)


(私が聖女?回復魔法使えないよ?)


(でもここを見て下さい。聖魔法のスキルが付いたでしょう?種族もセイントバンパイアになっているじゃありませんか?)


(なんでヴェル君は聖人とかじゃないじゃないの~)


『そんな種族いねよ!』


(勇者はあくまでも職業です。それを隠蔽するのにサムライと言う職業に振り替えただけです。聖女も、職業としての聖女は神様が1人だけを選ぶので資格を得ただけじゃ聖女にはなりません。ただ勇血を取り込んだのは間違いないのでセイントバンパイアにクラスアップしたんじゃありませんか?)


(なるなる。それにしてもヴェル君って本当に子供?勇者ってだけではなくて子供にしては達観しすぎていると思うんだけど…)


(クルムさん、今後向こうでも一緒に行動する可能性があるなら僕の過去を知ってもらおうと思います。少し長くなりますが聞いて下さい…)


それから、オレの身に起こった事を簡潔に全て話した。もちろん地球の事についてもだ。


(―――っというわけで、この世界に転移したってのが今までの流れですね。なので4年後には僕は元の世界に戻って、魔王を倒すという使命があるんです)


(まさかそんな数奇な運命が実際にあるんだね)


まあね。オレもなんかその運命?に弄ばれてる気がするよ。1番長く生きた人生は、ほんっとの小市民だったし。


(よし決めた。私も君のいた世界に一緒に行くよ!聞いてたでしょ?私が一緒に行く人生を選んだってこと)


(吸血族に戻って平穏な暮らしをするって選択肢はないんですか??)


(無いわ。勇血だったっけ?それをこの世界に残せないのは理解したわよ。だからヴェル君だけ元の世界に戻るって言うわけにはいかないって言うのも分かった。伊達に65年も生きていないよ。ヴェル君こそ異世界で15年、50年、10年って私より年上じゃない?)


(最初の15年は記憶をリセットして貰っているので計60歳で年下ですよ。まあ15年足したところであまり変わらない気もしますが)


(どちらにしても、今の私と変わらないって事だね。嬉しいわ。同年代ね。見た目はともかく)


(でもこっちの世界にご両親とかいるんじゃないの?思い残す事もあるんじゃないんですか?)


(さっきも話したけど、私のお父さんは人族だから随分前に老衰で亡くなったよ。それからお母さんと兄弟とはバラバラ。だからここ何十年と会ってないんだ。だから特に未練はないかな)


(それじゃ改めて確認します。この先はステータスカードは、僕以外の人に見せるのは禁止です。クルムさんが死んじゃいますから)


(わかった。誰にも見せないから安心して)


それからクルムさんに話す中で、あっちの世界やこっちの世界と言う表現が紛らわしいので、日本はそのまま、元いた世界は勇者世界、こっちの世界は第三世界と呼ぶことにした。


ここで、オルディス様から貰ったステータスカード偽装を思い出す。もしかしたら第三世界で使えるかもしれない。メルス様も封印とは言わず隠蔽と言ってたし。


試しに自分のステータスカードを任意の数字で偽装してみた。おお。バッチリだ。


なので、クルムさんが前のステータスになるようにイメージすると、これもあっけないほどうまくいった。


(本当になんでもありだねヴェル君は。これならパーティメンバーも気付くことはないわね)


そう。もしステータスカードを覗かれても何の違和感も無い。これもクルムさんがペナルティを受けないためだ。


本当のステータスを見たい時は、俺が元に戻すというひと手間はいるけど、ポカミスで見られてもこれなら大丈夫だろう。


オルディス様、ステータスを偽装する能力を与えてくれて、ありがとうございます。


同じようにリスク回避のため聖魔法とアイテムボックスは、孤高の風のメンバーと一緒にいる時は封印する事に決めた。


(それじゃ、明日は朝7時から迷宮アタックって言ってたから寝ましょうか?性欲を抑えられているのなら一緒に寝る?)


(結構です。無駄に言い訳しなきゃいけない状況を作るつもりはありません)


(もう、ヴェル君ったら。そんなこと言うと明日からお酒禁止にするわよ?10歳なんだもんね)


(ここでは12歳なので無問題です。10歳ってバレるってことは異世界人てバレることですよ、クルムさんペナルティじゃないですか)


(ぐむぅ)


いや。なんかイイ。こういうやり取りは思春期とかにしたかったな。と思いつつ10(12?)歳のオレは今日も一杯だけ飲むのだった。

いつもお読みくださってありがとうございます。

実のところ、この『ラノベ作家の異世界転生』を書くにあたって、裏話と言うかスピンオフというか、閑話で書いた話がいっぱいあります。

折角書いたのにもったいないので、別に『ラノベ作家の異世界転生』裏、というタイトルで投稿する事にしました。

まずは、ジュリエッタ ⇒ マイア ⇒ シャロン ⇒ レリク ⇒ 500年前の勇者の話などの順番で不定期に投稿します。

1年前に書いた話ばかりなので、少し内容などが変更されていたり、言葉、言い回しなど今と違うところや矛盾などありますが、もしお暇があれば読んでいただければ幸いです。


https://ncode.syosetu.com/n1072ho/



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ