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人生初の大団円



最終話です。



ミスティーのお城に帰ってから、皆が驚き、喜び、大食堂を使っての宴会に発展するのに時間は掛からなかった。


レオン様が泣きながら突進してきたのを王太子殿下が必死に止めてた。私の後ろの旦那様が怖いんですね分かります。英断ですよ。


シャリティアさんと女神様は、一杯のお酒で酔ったおかんの愚痴を聞かされてる。ごめん、からみ酒やねんその人。

お姉様は一度経験したよね。ある程度喋り疲れたら寝るから、それまで勘弁したって。


リハビリに付き合ってくれてたメイドさん達も、道案内してくれた兵士さんも騎士様も、皆クルーレさんが忘れてなくて嬉しそうに、良かったですねと言ってくれた。


あのツンデレ赤毛騎士も、クルーレさんの後ろを通る時に肩を叩いてささっと消えていった。


…うん。良かったねクルーレさん。本当に友達みたいになったんやね。


照れてほっぺがピンクなってる。色白は分かりやすいね!





――――――――――――――――――――――



「墓参り、ですか?」

「うん。落ち着いてからでいいから。一緒に行きたい。あと、お義父さんとお義兄さんにも挨拶したいな。結婚式に来れんかったやろ?私らより、向こうの方が気にしてると思うから。」


宴会状態の食堂を二人で抜け出して、クルーレさんの部屋に来た私達は今後の予定の計画を立てていた。

クルーレさんはベットに腰掛けて、私は膝の上。

私は一人がけのソファに座ろうとしたのに。もう!


「ふふ。……私の実家はいくつかの酒蔵を所有していて、ほら、お母様が飲んでいた果実酒。あれは父達からの祝いなんです。まあ今は兄が仕事を継いで、管理してくれてます。」


私も匂いがきつくないものは本当に偶には飲みますが、と。クルーレさん、まさかのお酒苦手疑惑。


………ザルっぽいのに。


「ふふふ、実は下戸なんです。皆には内緒にしといて下さい。……ああ、父も下戸らしいですよ。なので出来上がった酒のチェックが母の仕事で、……酒好きの母は理由を付けては味見していたそうですが。」

「あははっ!楽しいお母さんやってんね!」

「………ええ。父と母は二人でドラゴンに跨り空を散歩するのが趣味だったそうです。父は、母が亡くなってからも偶に乗っていたのですが、数年前に世話をしていたドラゴンに尾で腰を叩かれ足を悪くして……身体にさわるので遠出をしなくなったんです。兄も想像よりも早く父の代わりに仕事を任されて、忙しいみたいですね。」

「………そうですか、大変そう。」


世話してくれるメイドさんとか居るやろうけど。

家族を介護しながらの仕事は、どこの世界でも大変やろうなぁ。


「いえいえ、逞しい方々ですよ。ふふ、近いうちに一緒に行きましょう。きっと父も兄も、貴女を気にいると思います。」

「……そやったら、嬉しいけど。」

「それと、私も美津の家族に報告しないと。結婚と、子供の事。」

「あっは!私らは一ヶ月色々あったからあれやけど。向こうは一日とかやからなー。赤ちゃん産まれるよー言うて、向こうは十日もすれば産まれるんやで。」

「ふふ、確かに。また叫んで怒られますね。」

「そっかなー。」

「そうですよ。………………でも、それ今じゃなきゃ駄目って訳でもないですよね?」

「え?」


私のお腹に腕を回したままベットに転がり、うつ伏せにした私の背中に覆いかぶさるクルーレさん。

いや、おい待て。


「待ちません。だって私もう、こんなに……、」

「え。………ひぃっ!擦り寄るな変態!いきなりスケベになるな!」

「ふふ。私も知らなかったのですが、好きな人の前では皆変態になるんですよ?………貴女だって、昨日、私にいっぱい噛まれてイっ」

「あーあーあーきーこーえーなーいー!!!」

「ふふふ!良いですよ。聞かなくても。勝手にしちゃいますからね。はい先にちゅーしましょうね?」

「うっぷ!う、う、んっ……………んぅ…、」

「ん……………全然慣れないですね。」

「…うっ。へ、へたでごめんなしゃ、ぃ」

「……いいえ?教え甲斐があってとっても嬉しいです。私がこれからも、色々教えてあげますから。……もし私以外に教えられたりしたら、相手を殺してその心臓えぐり取るかもしれないので気を付けてくださいね?」

「なんでいきなりの血みどろ!!?怖いわ!!!」

「美津が余所見しなかったら良いだけです。ねぇ?」


む。…………知ってるくせに。


私がクルーレさんだけって、知ってるくせに。

何そのあくどい笑顔。すごいラスボスみたい。お城の皆が震え上がる姿が目に浮かんじゃいます。


………しかし私の目は特殊で、そんなあくどい笑顔も恐怖心なんか抱かずに只々カッコよく見えちゃうけど!


「ふん!ワタクシはクルーレさんがいっちゃん好きですので、要らぬ心配で御座います!失礼です!」

「ふふふっ、そうでしたね。……私も美津が一番好きで、愛してますよ。ずっとずっと、一緒ですからね?」

「……はい!一緒に幸せになろうね!」
















拝啓。

お父様お兄様方プラス弟君。


皆様にとっては一日ぶり?二日ぶり?

いやまあなんと言うか。こっちは女神様のうっかりにより一ヶ月通り越して二ヶ月以上経過しとりまして。


それはそれは色々ありましたが、とりあえず一つご報告が。



私、岡田美津(おかだみつ)は授かり婚しました。お相手は、あの時紹介したクルーレさんです。


なので皆近い将来、じいちゃんとおじちゃんになるよ!



色々あって泣いたり笑ったりと忙しかったけど、私もお母ちゃんも今結構幸せやから。

皆、そんなに心配ばっかせんでも良いよ!


せっかく助かった命やねんから、ちゃんとご飯食べて、身体大事にして、長生きしろよ!



私も此処で、頑張って生きていくから!





これで一応の完結となります。お付き合い下さりありがとう御座います。



近日中に番外編として、いくつかこぼれ話的なものを予定してます。

それぞれ一話で終わるか、二、三話に分けるかは書いてみて決まります。


とりあえず女神様、ピーター様、拷問姫(笑)、黒騎士様と聖女様の結婚後の初腕組みお散歩デートを書きたいなーと思ってます。



出来たやつから投稿しようと思ってますので、時々覗いてやって下さると嬉しいです。


続編も書きたいと思っていますがまだ頭の中にあるだけなので、しばらく休憩してからまた書き溜めて行きたいなと思ってます。


気分がノリノリだと書くの早いんだなーって今回で分かりましたから。とりあえず今は新作のゲームしながら合間合間に書いていきたいです(笑)




もう少し、この世界のその後に付き合ってくだされば嬉しいです。





ここまで読んでくださった方々、またブックマークまでして時々覗いてくださった方々、本当にありがとうございました!



それでは、また。



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― 新着の感想 ―
[良い点] よかった!ハピエン! みっちゃんんんんかわいいし クルーレさんも病んでてもイケメンすぎました(இ௰இ`。) おかあちゃんの損するのは母親って台詞もサイコーにカッコよくて 色々とあった2人が…
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