ep2
アルミス国に到着した、超大型トレーラーは西門をくぐり軍用の敷地に止め、大勢の人が、トレーラーから降りていた。
アルミス国、
鎧を着た騎士に、皮の胸当てや籠手を着けた銃兵、そして大勢の医者達、支援に向かった村などに、重傷者がいたため優先して先に降り、アルミス国の病院へと運ばれ、ラファエルと、セレナは最後に降りた。
「さて、まずは調査報告に、いきますかね」
「わたしも、行かないとね、支援に必要な物はこっちが、把握してるから」
二人はそう言うと、軍用の敷地から出て、活気と人混み溢れる城下町に出た。
レンガで出来た町並み、観光に訪れる者が多く、かつて内戦が激しかった国とは思えないほどだった。
車などが、道路を走ってはいるが、まだ量産化するのが難しく、走っているのはせいぜい、商業用のものがほとんどであり、個人で持っている者は極僅かだった。
二人は、中央広場の噴水まで着いた、この広場は、道路が無いため車は通っていない。
広場には、露天、宿、武器屋、道具屋、飲食店が、噴水を囲うように、並んでいた。
噴水広場は、北、東、南、西に各道がある。
北の道にはアルミス城があり、東の道には、貿易が盛んな港、南には市民が暮らす住宅街があるが、小さな喫茶店などもあり、まっすぐ進むむと、南門がある、西の道にはギルドと、少し値段は高いが、道具屋と宿屋があり、真っ直ぐ進むと、西門がある。
二人は、大通りを通り、噴水広場から、アルミス城に向かっていた。
噴水広場は、旅人、商人、観光、そして国民などで、人混みになっていた。
二人が、雑談しながら歩いていると、観光に来た者だろうか、背の高い茶髪の男に声をかけられた、今日アルミス国に着いたばかりらしく、道に迷ったらしい。
ラファエルは、特務官の仕事でもあるからと言い、案内することになった。
「悪いけど、先に行っといてくれ」
「うん、陛下には私から言っとくね」
男は申し訳無さそうな、顔をした。
「デート中にすまねぇな、お二人さん」
「「デートでは、ありません」」
二人は、揃えて即答した。
「そ、そうかい…」
男は狼狽え、ラファエルはそれでは、と言い男に道案内を始める。
二人を、よく一緒にいること見るため、周りの人から見れば恋人に見えるが、実際二人は兄妹のような間柄であるため、意識したことがない。
(デートねぇ……わたしには恋人すらいないのに…)
そう、ぼんやりと思いながら、歩いているとセレナは、人にぶつかってしまった。
セレナはあわてて、三歩下がり、頭を下げた。
「す、すみません!よそ見していたもので…」
「ははっ、こちらこそすみません、僕もあちこち見てたので…」
セレナは頭を上げると、金髪で整った顔の男だった、先程の男より背は低いが、それでもセレナからは見上げる程だった。
「あの、ケガなどはありませんか?」
「はい、大丈夫です」
男は、笑顔になった。
「そう、それならよかった、それじゃぁ僕はこれで失礼するよ」
男は振り返り進もうとする、セレナは少し呆然としながら、考えていた。
(あぁ、こんな人が恋人だったらなぁ…)
セレナは、内心ため息を出していた。
セレナの、同期の学生また、同期の仕事仲間の人達は、恋人だの、セレナと同い年の同期の学生が結婚したりしていたため、まだ早いと思いつつ、憧れもあった。
世界で共通して、15歳で成人となり、飲酒、喫煙、結婚も出来るようになる。
セレナは、最近では本当は焦っているのではと、自分に問うっていた。
そんな事を、考えている内に、少しいいかもと思った男は、振り返った瞬間、ピタリと止まった。
ピタリと止まって、全く動かない、すると男の向こうから、少し低い声が聞こえた。
「止まれ」