ep1
地曆1万9995年世界は、魔王ジュロによる襲撃により、各地の国々、町、村、が被害に遭い、救援を求められた。
大陸にある国々よる、町、村へ救援活動、及び調査が行われ、全ての町と村とは言わないが、大分よくなり、復興へとむかった。
襲撃から2年経ち、未だに襲撃に遭っていた、そのため廃墟、廃村になった所は少なく、救援を求める所は多くあった。
そして、とある国により救援と調査を行い、祖国へ帰還する二人の若者がいた。
ーアルミス国・救援人員輸送車両内ー
「結局何も、分からないままだな」
「うん、今回の支援も、人員と支援物資も足りなかった……」
超大型トレーラー、人員と物資をより多く運ぶために、作られた超大型貨物車両の後部、そこには物資と人員を、効率よく運ぶために作られ、人体にストレスがかかりにくするため、天井部は手摺が設けられ、空も見え開放的になっていた。
手摺に、後ろから寄りかかり、刀を左腰に携えた、少し背の高い金髪の少年と、両手を手摺に置く水色の髪をした、少し小柄な少女がいた。
少年は晴れた青い空を見上げ、少女がは荒野が広がり、次第に緑に変わる風景を眺めていた。
「やっと、平和になってきたのに、また戦いが始まるんかね…」
「平和って言っても、まだ終戦して10年位しかたってないし、微妙な時だけどね」
水色の髪の少女は、苦笑しながら言った。
「出来れば、俺の父のような人が、必要な時は来て欲しくないな」
金髪の少年は、空を見上げながら言い、ゆっくり目線を、自分の足元へ下ろした。
「私は早く、正式な医者になって、多くの人を助けられたらって、思う」
「でも、セレナは来年には、正式な医者になるんだろ?世界最年少の医者に」
金髪の少年は、水色の髪の少女、セレナに振り向きながら言った。
「そう言うラファエルは、アルミス国最年少の特務官でしょ?いざとなったら、戦うのは仕方ないじゃない、自分志願してなったんだから」
セレナも、金髪の少年ラファエルに、振り向いた。
「いや~、まさか志願どころか、推薦が来ると思わなかったけどな、最初教官からの聞いたとき、達の悪いジョークだと思ったけど」
「期待されてるんじゃない?'英雄の息子'さん」
セレナは、冗談めかす様な口調で、くすっと笑いながら言った。
だが、ラファエルは嫌そうに、顔を苦くして言った。
「やめてくれよ、そもそも俺が生まれる前に、親父は死んだんだから、親父の事は、みんなから聞いた親父しか知らないんだ、比べられたり、一緒にされても困るぜ」
「いいじゃない、私はお父さんもお母さんも、知らないんだから、羨ましいよ」
「俺だって、親父の顔も知らないし、母さんも
10才の頃に病死したし、孤児と変わらんぞ」
ラファエルは、少しむきになったのか、口調が少し荒い。
「ごめん、少しでも思い出があるのが羨ましくて…」
セレナが、いたずらに笑うと、ラファエルは右手で、後頭部をかき回しながら言った。
「ま、いいや、もうそろそろ、着きそうだ、降りる準備しよう。」
「うん、とこでラファエルは、軍とは別行動なの?」
「あぁ、俺はすぐに陛下と他の特務官に、今回の状況報告しないと、セレナはそのまま病院に行くんだろ?」
「ううん、今回の被害に遭った人達の、被害人数と、手術の具体的な事を報告しないといけないの」
「それって、医者の卵じゃなくて、医者の仕事じゃないのか?」
「今回の報告は、私がやりなさいって先生と陛下が…」
「期待されてるねぇ」
ラファエルは、からかう口調だった。
「私なんてまだまだよ、それより、早く下に行って準備しよう」
「あぁ」
二人は、下へ降り、荷物を整理しまとめ、帰国の準備を始めた。
30分後、二人の母国、アルミス国に着いた。