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虚空の【セカイ】と魔女  作者: 白河律
二月の夜の闇は昏く、深く
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二月の夜の闇は昏く、深く

暴力というひとの悪意。 それが何故起こるのか。

 助けて――

 助けてください――


 人の心には昏い、深い闇がある。

 自分より、ヨワイニンゲンを嗤うという闇が。

 自身には無い、不幸を甘受するニンゲンを見ては、自分はまだ幸福であることに安堵し、ヨワイニンゲンのその迂闊さを嗤うのだ。

 ――昏い悦び。


 なんで――

 どうして――


 ひとり、ひとりの悪意は小さくともそれが、集まることで悪意は激しく大きくなっていく。

 彼らにとって、ヨワイニンゲンは悲劇の舞台を踊る道化師でしかない。

 彼らは凄惨な、愉悦の仮面を付けて嗤うのだ。


 二月――

 ――春は近くとも、最も寒く夜の長い月。


 その闇は昏く、深く。


 誰かが言った。

 夜明け前こそ、最も闇は暗いのだと。


 ハハハ――


 望みもしない観客達を尻目に、道化師は狂い嗤う。

 仮面の下で世界を呪い、憎み続ける。


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