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虚空の【セカイ】と魔女  作者: 白河律
古谷千鶴の事件簿 2 機知の刃
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機知の刃


 時々、思う。

 世界はドコカ、酷く間違えているんじゃないかと。


 だから世の中には正義を声高々に叫ぶ人たちもいるし、それに反発する人もいるし、そんなの知らないって人達もいる。色々な人間がいて、みんな違っていて、みんな変わっていて、みんな違う考え方をしてる。

 ねえ、これって本当に素晴らしい事?

 これじゃあ、ナニガ正しいかなんて分からないじゃない。

 だから、みんなが罵詈雑言を叫ぶように混沌としているんだよ、このセカイは。

 そんなセカイは、私を苛立たせるだけ。


 キチ、キチ、キチ……


 その事に気が付いた私は、きっと賢い。

 そんな私が、みんなと同じセカイに生きているなんてオカシイ。

 みんなと同じ〝フツウ〟の中に埋もれているなんてオカシイ。

 私は――特別だ。


 キチキチキチ……


 確か――人より賢い事を〝機知〟と言った筈。


 キチキチキチ、キチキチ……


 ドコカで音がする。

 それはポケットに隠したカッターナイフの刃が、そそり出す時にする音に似ている。



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