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モブに慈悲はない…?  作者: いす
2/110

予想外の出来事 やり直し

二話目です

誤字・脱字があったらもうしわけありません

気に入らなかったので書き直しです

自分がモブとしてのどうやればいいのか分からない決意を固めている間も彼と彼女は話していた。

この距離だと声は聞こえることはないが、彼女がその彼に力強く抱きついているのはこの距離からではっきりと見えている。

あーあー頭なんて撫でちゃってぇ…

人目を気にせずイチャイチャとしている光景をまざまざ見せつけてくるのはとても腹立たしい。

周りの、事を知っている人ですら、うわぁ…と顔をひきつらせていた。

…このまま見続けると心が折れてしまいそうだったのでこれから起こる展開を考えてみようと、近くにあったベンチに腰かける。

幸いにもそういった知識はひたすらに本を読んでつけていた。

この後、明日か明後日辺りには彼女がうちの学校に来て、新崎となんやかんやあり、

ハーレムを築いて、楽しい学園生活を送ることは明白だ。

ハーレム要因と言えば…

やけに好感度が高い義妹。

家がお隣の幼馴染み。

生徒会長…まぁうちの生徒会長男だけど最悪、実は女の子でしたーとかそんなんで誤魔化すんでしょ。

後は…目の前にいる美少女。

一瞬四人とか少ないなと考えてしまったがそれはおかしい。

普通のやつだって一人から恋愛感情を持って好かれているなんてこと滅多に無いだろう。

そこからひたすらに考え込んでいると、ふと前を見ると、二人がいなくなっていた。

空も暗くなっており、ボチボチと周りの他の部活終わりなのかラケットやらを持っている学生が帰っているのが見える。

本屋に寄ることをすっかり忘れ、俺も彼らに続くように自宅へ向かう。



次の日、学校について、しばらくすると徐々に多くの生徒が登校してきて、クラス内も賑やかになる。

だが、耳に入ってくる話はいつもと違って中身のない話ではなく、転校生が来るという事がほとんどだった。

「なぁなぁ!聞いたか?うちのクラスに女の子来るんだってよ!」

「あ、それ朝見かけたわ、むっちゃ可愛かったぞ!」

「こいつと一緒にいたから俺も見たけどお嬢様っぽい感じだったなぁ」

…まぁ、昨日の一件とその外見、当てはまるものは一つしかない。

先の展開は読めているので半ば呆れるように鞄から本を取り出して、昨日から止まっていた部分を開き読み進める。

ちらりと前を見て隣の席と軽く話している主人公くんを見ると、特に変わった様子はなく、この雰囲気すらも興味が無いという感じであった。

本を読み進めていると、周りが急に静かになる。

教師が来たということだ。

本を片付け、前を向くと当たり前ながら、昨日見た彼女がそこにいた。

そして教師は視線が集まったのを確認すると気だるそうに話始めた。

「あー、今日からこのクラスに入ることになった城戸夏(しろとなつ)だ、よろしく頼んだぞ」

「よろしくお願いしますわ」

城戸さんはスカートの裾を掴み少し上げ、お辞儀をする。

見た目や雰囲気だけでなく、仕草もお嬢様である。

…ふと、城戸という名前に、既見感を抱く。

城戸…城戸?

顔をうつ伏せ、よく考えてみる。

するとかなり前にみたテレビの番組でにたような名前を思い出す。

どんな内容の番組かは忘れたがそれでも彼女と同じ名字だったことは確かなはず。

もしかしたら、と顔を上げ前を見ると、城戸さんは主人公くんの真横に行き、屈託のない笑顔で彼を見つめる。

そして

「陽斗、(わたくし)と結婚してくれませんこと?」

そう言った。

「「「「えええええぇぇ!!」」」」」

瞬間、クラスのほぼ全員が声を上げる。

その耳をつんざくような声にたまらず苦い顔をしてきまう。

教師もめんどくさがって何処かへ行ってしまい、他のクラスが休憩に入るまで、この喧騒は続いた。

「はぁ…」

漏れでたため息は誰にも聞かれることはなく、本当にしてしまったのかさえ疑ってしまった。



休憩時間に入るやいなや、あの大声は何だったのかと、人が集まってきた。

適当に廊下辺りに避難とかもしようと考えたが集まりすぎてこのクラスから動くことすら出来なかった。

「は、陽斗!これは一体どういうことなのっ!?」

そして絶賛修羅場鑑賞である。

どうしてこうなった、すら考えさせない勢いで彼はテンプレである。

幼馴染みがいて、その彼女がこの騒ぎを聞き付けて来て、で、これ。

周りの照準の用な目線と違い冷えきった目線になっている俺は、もう聞く気すら無くなっていた。

「いや、違うんだって!秋葉(あきは)

秋葉…それが彼女の名前らしい。俺が知ってどうする。

「陽斗…彼女は一体誰ですの?どういう関係でして?」

変わらずに冷静に話す城戸さんではあるが、その目には明らかな敵意が感じられる。

そして、それを聞いた周りはどういう関係なのかと答えを聞くために静かになり始める。

まるで図ったかのように息ピッタリ。

秋葉さんは少し覚悟を決めたように、一歩前に出て、頬を少し赤く染める。

そのただならぬ空気を感じてか、城戸さんも冷静に彼女を見つめる。

この学年全てが彼女を見ている。

「わ、私は陽斗の…の…こ、婚約者っ!なんだからっ!」

「はぁ!?」

突然の発言に主人公くんは驚きの声を上げる。

そしてそれを合図にまた、先程のように、いやそれ以上の大声がこの学校事態を包む。

秋葉さんを見つめていた、城戸さんも目を丸め、どういうことかと主人公くんを見た。

「い、いや!ち、ちが」

「お母さんたちは認めてたし、む、昔はっ!お風呂だって!ね?」

顔全体を赤らめ、主人公くんの顔を覗き込むように秋葉さんは見つめた。

主人公くんも何かしらアクションを起こしているのだろうか、この席からだと絶妙に見えない。

だからといって今動くのは不用意に目立ちそうだから控えて、大人しく椅子に座り続ける。

「…陽斗?」

「は、陽斗ぉ」

冷えきった声と、恥ずかしさが混じった声が主人公にかけられる。

どうやら彼は思っていたよりも愛されていたらしい。


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