一人が楽しめない遊園地
十一作品目
誤字・脱字があったら申し訳ありません
また車に揺られること数分、目的地に着いたのだが、ここは…やっぱり俺が予想していたところだ、でもそこまで混んでない。
俺らのために客減らしたとかないよな…
「さっ行きますわよ!」
城戸さんは早々と車から降り、少しはや歩きで
向かっていく。楽しみにしすぎでしょあの子…
というか俺が遊園地に行ったのはいつぶりだろうか、最近でも家族(一人を除いて)でいってるんだけどね。
「いこうぜっ!灯!」
城戸さんの後を皆で追いかける。
「なあ皆!これ乗ろうぜ!」
遊園地の中に入って新崎が最初に指を指したのは
ジェットコースターだ、確か俺の記憶が正しければ昔に一度乗ったことがある。
でもこれ冬花ちゃん大丈夫かなぁ…
怖いだろ、これ見た感じすごい高さだけど…
と思いながら冬花ちゃんを見ると…
うわっ!すっごい目ぇキラキラしてる、
超カワイイんですけどぉ!
やっぱり年も年だし遊園地とかは楽しいのかな?まぁ、知能は高校生並の天才なんだけど。
どうやら俺が冬花ちゃんのことを心配している間に乗るということが決まったらしく、
並んでいる列に向かって歩いている、
お嬢様はこういうところで待てるのかとか考えたけど色々話している間に順番が来たようだ
ジェットコースターの…これなんだろ?この乗るやつコースターっていうことにしよう
そのコースターの乗る場所で争いが起きそうな
気もしたが係りの人が順番を決めてしまった、
その結果俺は一人、隣に誰もいない…
俺の前の列には新崎と笠木さんが、その前には
城戸さんと冬花ちゃんが。ていうか俺が一番後ろなの?何かどっかで聞いたのは一番後ろが
一番怖いんだっけ? え?マジで?
アカンくない?
あ、発進してしまった。
でもこの少し上の高さから落ちるんでしょ?
それぐらいならと考えていたのだが
ヤバいヤバいヤバいヤバい
どんとん高いところに向かっていく、俺が焦っていることなんて気付いてないのか前から仲良さそうな声が聞こえる、お前らなんで怖くないの…
ていうかね、俺さっきジェットコースター乗ったとか心で語ってた気がするけど確か俺のしってる
ジェットコースターは馬とかに乗ってアハハ~
って感じにクルクル回る感じだった気がするんだけど… それメリーゴーランドじゃね?
もう少しで落ちる、これ絶対乗ってるやつスポーンって感じで飛んでいくでしょ?
アカn
「ウワァァァァァァァ!!!ヒイギエァァァァァァ!!!!!」
だ、だ、だ、誰だよ、こんな奇声上げてんの
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
なんでなんでなんでなんでなんで前のやつらからは悲鳴じゃなくて純粋に楽しんでいる声が聞こえてくる
「ノォォォォォォオオォァォ!!!!!」
「はぁぁ…はぁっ…ふっはぁ…」
ジェットコースターを楽しみ過ぎた俺は
ちょっと涙目になってる。
「なぁ…灯…マジで大丈夫か?」
新崎は俺を心配して水を渡してくれる、
水はいらないんだ…それよりも…
「だ…大丈夫…?」
よし、復活しないとだな!これが見たかった、
聞きたかった。
冬花ちゃんの声を聞くために俺はここまで自分を
犠牲にしたんだ、だからさっきまでの悲鳴は
演技なんだよ…
「まったく…あの程度で悲鳴をあげるなんて
弱いですわね仁田…どうします?少し休みます?」
城戸さんが俺を心配するのは多分これが最後なんだろうなぁ…
「うん、そうだよ仁田君、無理せず休んだ方がいいよっ?」
笠木さんも心配してくれている…でも流石に
来てすぐに休むのはあれだし冬花ちゃんも他に色々回りたいだろうから、絶対休むわけにはいかない。
「え、えっとまぁ、大丈夫なんで…た、多分
次のところに着くときぐらいには復活してると
おもうんで…」
多分、きっと
「よ、良かった…じゃあ、ね、次はあれ…!」
といって笑顔で指さすはお化け屋敷…
どうして冬花ちゃんは俺の心臓を痛め付けるんですか。 そうか!俺を心配したいんだな!
まったく冬花ちゃんは可愛すぎるぜ!
「よし!行こう!お化け屋敷にっ!」
俺は多分さっきよりも強い。
「復活はやいな…お前」
ふっははは!俺の再生力舐めてもらっちゃ困るぜ!ただし傷つくのもはやい、しかもどんどん
ダメージが増えていく。
「まぁ、復活したんだしっ!さ、陽斗行こっ!」
そうして皆で次はお化け屋敷に行くことになった
……………………
「おいっ!灯が倒れたぞ!だいじょ、うぶ、か?
…気絶してる…」