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プロローグ-なんでこうなるの?
「ごめんなさい」
目の前の彼女は、そう言って頭を下げた。
俺は一瞬何を言われたのかわからなかった。
「え……」
俺は2、3歩彼女に詰め寄った。そして彼女の肩に手を伸ばす。
「どうして……」
そこに司会者が割って入る。
「あーっと残念。ごめんなさいだー。さ、秋野君、失敗したんだからさっさと退場してねー」
司会者に引っ張られて舞台袖まで移動させられる。
その間俺は考えた。
――何故だ? 何がいけなった? こんなイベントにかこつけて告白したのが行けなかったのか?
「はーい、では葉室さんにはお戻り頂いて、次の挑戦者ー」
ステージから彼女が下段していくのを舞台袖から呆然と見送った。
その時の彼女は、少し悲しそうな顔をしていた。
――何故、こんな結果になってしまったのだろう?
――わからない。彼女の事が。
――脈はあったはずなのに。俺の勘違いだったのだろうか?
呆然とする俺を尻目に、告白大会は淡々と進んでいった。