5月16日 作☆品☆納☆入
5月16日、天候くもり。
「――――――――まぁ、良いんじゃないかな? 恋愛坂胡桃先生の月刊うろNOWでの初仕事と言うのは」
と恋愛坂胡桃先生の原稿を確認した、兎山則之課長はそう答えていた。今日は、恋愛坂胡桃先生の完成させた作品を編集長に見せに来たのである。
まぁ、それにしても「良いんじゃないか」と言われるとは、悪いけれども想像出来なかった。月刊うろNOWは毎月20日に販売している月刊誌である。月刊うろNOWを毎月20日に発売しようと思えば17日には原稿を納入して貰わないと間に合わない。最も月刊うろNOWは地方紙だから、18日でもその気になれば発売する事も簡単に出来るのだが。
「まぁ、普通にいつものように女の子も可愛いし、良い感じだと思いますよ」
と、相も変わらずに兎の顔の着ぐるみを被ったまま、「うんうん」と頷いていた。……相変わらずだけど、どうして兎の顔の着ぐるみを着たまま、どうやって原稿を見ているか心配になって来る。
「―――――――けどまぁ、来月からは気を付けるように言っておいてくださいね。君の担当である有名恋愛漫画家である恋愛坂胡桃先生に、さ。いくら地方誌だからと言っても、締め切りがあるんだから」
「あぁ、今度からちゃんと言わせておきますよ」
と俺はそう返事を、返しておきました。まぁ、今回は1回目だと言う事で手探りでやったんだけれども、次回からはある程度あらすじや世界観が出来上がっているからこそ、一から作った今回よりかは簡単に作れると思うし。
「……まぁ、それよりかは君の前の担当作家だった黒口穂波先生の方が大変だったと言うのが、今回の感想だけどね」
「黒口先生が……?」
大変だったって? 今回の話は俺も担当して、既にプロットも作ってあったと思うんだけれども。それが大変だったってどう言う事?
「何故か、黒口先生が折原遊紙に説得されるような形で大幅に変更したと言っていたよ」
「えっ? あの後は確か……剣道部にて女性2人をアリスの力を借りて何とか倒して傅かせると言う話だったはず……」
「それが結構、変わっていてね。折原遊紙が後から出してくれた黒口穂波先生の作品の報告は、この前と違っていたし」
報告書と言うのは、担当編集が出す事になっている作品の今後を書いた報告書である。作家先生が語った作品の今後の展開を書いた企画書のような物である。それを見て、次回の予告について編集者が考えているのであるから。
「まぁ、二人羽織先生もちょっと前に出したのと違ってたし、良い感じに出来てるから良いが、今後は気を付けるように」
「は、はぁ……」
「じゃあ、帰って良いよ」と言う課長の声を頭に入れながら、俺はその場を後にするのであった。
「月刊うろNOW! まとめ」を検索除外させていただきました。ちゃんと「うろな町企画」のシリーズにて飛ぶ事が出来るので安心してください。