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5月3日~5月6日 ドM漫画家

 5月3日~6日、天候晴れ。

 その後、恋愛坂胡桃先生と一緒に俺は漫画について話し合った。恋愛坂胡桃先生は月刊うろNOWで、得意の恋愛作品を描きたいみたいである。


「学園とか、良いって思いませんか? 恋愛学園物は王道であり、とても面白いですよね♪ ウフフ……♡」


「そうですね。普通に描きやすそうですし」


 俺はそう言う彼女の言葉を聞きながら、肯いた。そして恋愛坂胡桃先生から新作のプロットを描いて貰った。黒口穂波先生レベルではないけれども、恋愛坂胡桃先生と同じ以上に速い。普通の作家先生は3,4日描けてやっと1話を描ける人も居るが、黒口穂波先生は1時間もあれば1話のプロットを元に1話を描きあげてしまうくらい軽々と描きあげるくらい速い。そして、恋愛坂胡桃先生も1時間半もあればプロットさえ有れば描き上げてしまっている。本当に速い。ちなみに前の担当であった輝き閃光先生は、8時間描けてやっと描きあげていた。遅筆と言うより、どうも描いている最中に良いアイデアを思いついたら描き直すみたいなやり方をしてしまっているから遅いみたいである。プロットの時点から拘っているそうだ。

 まぁ、何が言いたいかと言うと、2人の描くスピードは物凄く速いとの事だ。


 締め切りを1週間以上速めても大丈夫な彼女達。俺はそんな彼女達に素直に尊敬の意を表しつつ、何か出来ないかと尋ねるばかりであった。


 その翌日の4日。俺は恋愛坂胡桃先生のために、資料の恋愛作品を集めた。今にして思えばそれが恋愛坂胡桃先生の変態性を理解するきっかけとなったのだけれども。


「ここに資料である恋愛作品、おかせていただきますね。どうか使っておいてください」


「了解ですよ。ありがたく貰って置きますね」


 そう言って、俺は恋愛坂胡桃先生の元に、恋愛作品の漫画や小説などを置いたのである。


 そして―――――運命の日、5月6日。


「えっ? どうしたの?」


 俺の前にはおずおずとした、恋愛坂胡桃先生。そして、恋愛坂胡桃先生の言葉を聞いて、俺は変態だと、彼女が神聖のドMだと確信したのだ。


「―――――――私、恋愛作品が苦手なの。けれども、恋愛作品を描くのが得意な作家なの」


 好きな事を仕事にするなとは、良く言った言葉だとは思う。

 ―――――――だけれども、その親の言葉を真に受けて苦手な恋愛作品を描いて、そして凄く評価されてるってどう言う事?

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