5月1日 赤城君の新担当の先生
5月1日、天候晴れ。
「今日からゴールデンウイークか……」
5月、GW。俺、赤城正義は5月1日、5月2日の2日間を有給休暇にして、GWの6連休を楽しんでいた。6連休の1日目、俺は黒口穂波先生の家で黒口穂波先生と休日を楽しんでいた。まぁ、黒口穂波先生が友人として遊びたいと言ったからこそやらせて貰う事にしたのだけれども。
「私は嬉しいですよ、ゴールデンウイーク」
黒口先生、いや休日なんだから呼ぶ時は穂波、か。前にそう呼べと言われましたし。穂波は楽しそうな顔でこちらを見ながらそう言う。そんなに長期休暇が嬉しいのだろうか?
「なんたって、久しぶりに赤城君に会えたんですよ? 嬉しいに決まっています」
「…………」
そう言われると、非常に対応に困る。どう困るかと言われば、どう言う顔をしていれば良いか分からないんだけれども。
「まぁ、それよりも今は赤城君から聞きたい事があるんだけれども?」
「聞きたい事?」
「赤城君に聞きたい事があるの。そう、赤城君が新しく担当する事になった人。良ければどんな人か教えて欲しいの。前の赤城君に担当となった漫画家として、ね」
そう言えば、穂波さんはそう言った事に拘る人だった。前に担当していた輝き閃光先生についても、随分と聞かれたような気がするし。まぁ、単なる興味だとしても、なんだか目が怖いんだけれども。漫画とかで見るヤンデレの表情となんら変わりが無い事が自分にとっては怖いと思える理由なのだが。
「……そうですね。どう言う人かと、端的に言えと言われれば、穂波さんと同じく超有名な作家先生ですよ。恐らく彼の先生が描かれた作品のタイトルだけで、どう言った作品かが分かるくらい有名です。
『萌え注文、入りました!』や『恋愛CA』と言った作品でおなじみの、恋愛坂胡桃先生です」
「それって……」
そう。
恋愛漫画界に革命を起こしたとされる覆面女性漫画家(覆面なのになぜ女性かと分かるかと言うと、作者のコメント欄の文体が基本的に女性口調だから)であり、無駄に青少年の持て余すエロスを発散させるような絵柄を描く、黒口穂波先生と同じく人気作家なおかつうろな町出身の人物であり、
かなりの変態である。