表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/65

3月17日 オヤスミ

 3月17日、天候くもり。

 ―――――あの3日間の旅行から帰って来てからしばらく経った3月17日。

 私、黒口穂波は休みとして与えられた一月をどう有効に使おうか迷っていた。この一月の休みは4月号が特別編成のため、『ここは魔物町』の二人羽織先生以外の先生は休みなのである。私はこの一月の休みをどう扱うかどうか悩んでいた。


(まぁ、昔は休みを貰っても漫画の設定やら、プロットを考えていたのに、今では休みに何するか考えるようになったとは……。私も成長したのかな?)


 そう思いながら、メモ用紙を取り出して私は考えを書きこんで行く。


「ええっと……まぁ、一月休みがあるからと言っても、あまり遠出をする訳にはいきませんね。けれどもこの前、温泉で休みを貰ったから温泉に行くほどじゃないなぁ……。特別買いたい物があるかと言われれば、そう言うほどでもないですし。何をしたら良いでしょうかな……」


 うーんと言いながら、私は紙にとりあえず頭の中に思い浮かんだ言葉を書き連ねて行く。ふと、書かれている言葉を私は確認する。


「"剣道部"、"宇宙同盟"、"陰陽師"……。"研究"、"最初の宇宙人"、"隕石"……。

 ダメですね。どう考えても、私が書いているのはこの先のプロットですか」


 本当に私はダメですね。公私混同をしていて、仕事とプライベートを分ける事が出来ない。だからこそ、こう言う長期の休みをいただいた時にどうするか迷ってしまう。


「漫画家として今は高い評価を貰えている私だけれども、公私混同の人物はどんな時代でもいつも悲惨な結末を迎えている」


 織田信長。

 ナポレオン。

 平家。


 どの時代にも傲慢な者―――――――つまりは公私混同の人物は居る。そう言った人物達は天下を手に入れても、必ずと言っていいほど落ちる。その落ちるのがいつなのかは分からないけれども、今のままだと私はそうなる可能性がある。

 そうならないためにも、


「傲慢な事をせず、質素な暮らしをしながら、日々を過ごす事に徹すると致しましょう」


 私はそう言いつつ、慌てて休みの日程作りを再会した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ