3月13日 温泉旅館2人旅
3月13日、天候晴れ。
――――――――次の日の朝。黒口穂波先生によって完全復活を遂げた俺、赤城正義は魔女屋敷エミリアさんと名乗る女将さんの持って来てくれた料理を美味しく食べていた。
夕食は温泉で養殖されているトラフグを中心とした豪勢な料理だったのだが、朝食はモヤシ中心の質素ながらも美味しい料理だった。どうやらこのモヤシも、この近くにある栄養豊富な栄養分を使って育てた食材らしい。
「美味しいですよね! 何千年も生きて来た、この魔女屋敷エミリアを温泉で作ったトラフグ料理とモヤシ料理で女将に成り下げたんですよ! ですから美味しいでしょ?」
何千年生きたって……。明らかに可笑しいでしょ? 普通の人間がそんな事出来る訳無いし、彼女のただの妄言だと思う。しかし、そんな事は抜きにしてもトラフグ料理も、モヤシ料理も、そしてその2つの美味しさの源である温泉も素晴らしかった。今度、先生がどこかに缶詰になりたいと言った時にはここをお勧めしておこう。
―――――――そうだ、他の先生にもお勧めしたい。うろな町全体にお勧めするように、澤鐘さんと兎山課長に頼んで置く事にしよう。
ちなみに、黒口先生は
「元気になって良かったよ」
と、泣きながら言ってくれた。本当に友達想いの良い先生である。こんな人と友達に成れて本当に嬉しい!
そう言うと、黒口先生は
「そう……友達……。友達……だよね、私達。アハハハハ……」
と、至極残念そうな顔で言っていたけれども、まぁ、そんな事はどうだって良いだろう。些細な問題である。
そして13日と14日は天塚温泉とその温泉街(こんな場所にどうやって店が開店できると言うのだろう? 収入がどうなっているのか謎である)で、黒口先生と楽しみ、俺達は元の街へと戻って行ったのだ。
また来たいな、天塚温泉に。