3月1日 『輝き閃光』先生と話し合い
3月1日、天候晴れ。
○3月1日○
『輝き閃光』先生はある意味、漫画家らしい漫画家だと言える。月刊うろNOWにて、『夜空の高き一番星』と言う漫画を描いている。そして彼は編集と悩みながら、漫画を描きあげるスタイルを取っており、『黒口穂波』先生と正反対の作家だと言えるだろう。
『黒口穂波』先生は1人で描きあげるスタイルを取っていて、『輝き閃光』先生先生は編集と協力するスタイルを取っている。そう言う意味でも、俺、赤城正義と言う編集者にとっても良い経験だと思う。短い期間に、こうしてそれぞれ別のスタイルを取る作家の編集になれたのだから。
「それで『輝き先生』、呼び出した理由は何ですか?」
と、俺はそう目の前に居る『輝き閃光』先生に声をかける。チャックを完全に上まで閉じたジャージを着た、眼鏡をかけた20代後半の男性。その男性、『輝き閃光』先生こと東郷貴仁は目の前で神妙そうな面持ちでこちらを見ていた。
「まぁ、そうだな。うん。今後の作品活動についての話なんだがな」
「今後の作品活動……3月号について、ではないですよね?」
既に『夜空の高き一番星』の3月号はきちんとした形で、『株式会社・兎山』に掲載用の物を渡している。だからこそ、俺には先生が何を言いたいのかが分からなかったのである。
「まぁ、あんまり気にするな。今から渡す案を参考にして、3日後までに考えて来て欲しいだけだ。あまり出し過ぎなくても気にしなくて大丈夫だから」
「あくまでも自分ならこの作品をどうするかを聞きたい」と言っていた。
俺はその事に対して、まぁ、そのくらいならと思いつつプロットを貰い受けたのであった。