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2月21日 初顔合わせ

 2月21日、天候大雪。

 その日はずっと沢山の雪が降っている日だった。一面真っ白で、歩くだけでも一苦労であり、本当に寒くて、きちんと防寒装備をしていても寒いと言えるくらいの寒さの日だった。



「……寒そう」



 私、黒口穂波は窓の外の寒空を見ながらそう呟いていた。2月のうろな町は雪が降る日、いや大雪が降る日が多い。17日から今日までずっと大雪が降っていたし、天気予報によると明日も大雪だと言う。



「これじゃあ、今日もプロットしか出来そうにないです」



 そう思いながら、私はメモ帳代わりのスケッチブックを開いた。次の3月号に載せるための『DoMA』の3話のプロットである。

 『DoMA』では多くの部活動が暗躍すると言う世界の中を主人公がどうするのかか? それを考えて作った作品である。テーマとしては、日常の中の非日常である。



 主人公の土田琢磨の身体の中に住むアリスは、人間ではない。所謂、闇の者である。そんな者を身体に宿している彼は、他の人達に狙われつつ、また同じような存在である闇の者を仲間にしつつ行うと言うのが今考えているあらすじである。

 そして次回は仲間を作り、そしてその仲間と共に敵と戦うと言うプロットを考えているが、



「編集担当と相談しないと、やりにくいですね」



 私はそう言いながら、自分の中にある形を絵にしていく。とは言っても、あくまでもプロット。本当に載せるためる訳では無く、あくまでも仮の絵だ。とは言っても、私のは他の人のよりも凄いクオリティが高いみたい。



(前の担当が『プロットにも力を入れて!』と言う方だからいつの間にかこうしていたけれども、変、なのかな?)


 

 そう言いつつ、私はプロットを書いて行くと、



 ピンポーン!



 とチャイムが鳴る音がする。



「……誰だろう、こんな日に」



 まだ外は雪が降り積もって、車が動けるかも分からないくらいの大雪が降っている。こんな日にわざわざ訪ねてくるだなんて、ちょっと可笑しい。



「まぁ、良いか」



 そのチャイムの主が恐らく宅急便だったと仮定した私は、印鑑を持って扉を開ける。



「はい、どちら様―――――――――」



「――――――――こんにちは、編集の遊紙です」



 その瞬間、顔を合わせた瞬間、外の寒さとは違う、また別の寒さが2人の間に溢れた。

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