1月24日 私は孤高にして孤独だった
1月24日、天候晴れ。ポカポカ陽気の日。
――――――私は昔から人よりも上手く物事を終える事が出来る子供だった。人よりも物事を上手く出来るし、普通の人よりも悩む事は少ない。だから、周りは私の事を天才のように言う。
『こんなに早く出来るなんて、凄い!』
『上手い! 上手すぎる!』
『流石、天才の黒口穂波さんですね』
皆が私の事を褒め称える。けれども、私だって努力はしている。それが見えないだけであり、私だって人間である。苦悩もあるし、努力もしている。けれどもそれは誰も分かってはくれない。
漫画だって、自分1人で描くのはつらいときだってあるし、ストーリーに関しても編集の担当に聞きたい事は沢山ある。けれども、私の担当となった編集はいつも同じことを言う。
『あなたに任せる』
『黒口先生ならば任せて安心』
『あなたの漫画は先生1人で完成してますから』
私の苦悩は私にしか分からず、私は常に孤高になってしまっている。私の天才と言うイメージがあり、それによって私は常に孤高の存在だ。いつも孤独である。
……私はもっと人と意見を出したい。
休みの日に一緒に出掛けたい。
作品について話し合いたい。
もっと気軽に接したい。
けれども、私はそんな事も出来ないの?
そんな些細な事なのに、私にはなんで出来ないの? 私はもっと……気軽に接したいのに。