ゴーストラブス
主人公
ゴーストが見える↓
小山ゆき
人間の身体を持つゴースト↓
神谷カイト
人間の身体を持つゴースト↓
眞鍋美空
私は、大切な親友を亡くしてから不思議とゴーストが見えるようになった。
「初めまして。あなた、転校生ですか?」
「あぁ。今日から転校してきた、神谷カイトです。」
「私は小山ゆき。あなた、霊は見えるの?」
「あぁ。見えるも何も俺ゴーストなんだ。」
「嘘でしょ!?ねぇー、冗談よね!?」
私は頭が混乱した。
何で?こんなに触れるし、冷たい。手が冷たい。
カイト、ホントに死んでるの?
きゃー、私ったら呼び捨てなんて。
でも、こんな運命があるの?
私の初恋が幽霊?
「私のタイプなのに…。」
「すみません。」
「気にしないでください。」
「私、カイトさんと事故る前に会いたかったな」
「俺もです。ゆきさん。」
そして、さりげなく話に入ってくる、美空。
「やめて。そんな親しげにカイトと話さないで。ゆきさん、初めまして、私はカイトの婚約者、眞鍋美空です。死んでますけど…。」
みんな…おかしいよ。
死んでるとか死んでないとか婚約者とか…。
私は、気持ちが抑え切れなかった。
ついに屋上で
「あぁー。」
と大声で騒いでしまった。
そして、ゆっくりゆきの目から涙がポツポツ流れてきた。
「あの人たち、おかしいよ。もしかして、私たちの事、馬鹿にしてる!?親友を事故で亡くしたから!?」
「そうじゃないよ。私達はあなたの親友と同じ事故で死んだの。あなた達はバスで、私たちはバイクで激突。」
「嘘よ!!」
「残念だけど、これが事実よ。」
この人たちは私達に復讐しようと思ってゴーストになって戻ってきたんだ。
そうに決まってる。じゃなきゃ、何の為に…。
「何の為に…。」
勇気を出して聞いてみた。
美空さんは
「あなたたちの復讐…」
「やっぱり」
「あはは。そんな事言うと思った!?私は、カイトを連れ戻しに来ただけよ。」
それだけ!?
そんなたった愛する人の為にそんな事するの?
やっぱり美空さんには適わないよ。
カイトには美空さんが必要なんだ。
「いるよ、美空さん。カイトならそこに…。」
「え?あー、カイト!どこ行ってたの?寂しかったじゃないのぉ。」
「ゆき、なんで?騙したのか?」
「ううん。違うよ。ただ、カイトには美空さんが必要なんだよ。カイト、美空さんを幸せにしてあげてね。じゃあ。」
私は手を振り放す。
ごめんね、初デートなのに…。
でもね、カイトには美空さんの方が似合うと思うの。
元気でね、さようなら。
カイト、見ててね。
今から私死ぬから…。
「さようなら、カイト。」
今からそっちに行くよ。カイトに会いに行く為に…。
私は全然平気だよ。
だって今でもカイトの事愛してるから。
美空さんみたいに私はなるから…。