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☆ エリオット視点
友人 スコットの邸に着き、門番に取次ぎを頼んだが、なぜか邸には入れてくれず、スコット自ら門の外に現れた。
僕は今日の出来事をざっくり説明し、しばらく匿ってほしいと頼んでみたが、
「嫌だね。誰が匿ってやるものか」
あっさり断られた。
「なんでだよ? 僕たち友達だろ? いつも一緒につるんでたじゃないか!」
食い下がってみても、スコットは不機嫌なままだ。
「なぜ君を助けないか、知りたいか?」
不敵な笑みを浮かべるスコットに、
「う、うん」 訳を訊いてみる。
「君は、僕が長年秘かに思い続けていた憧れのアリシア嬢に無実の罪を着せ、婚約破棄しただろう!」
まるで雷が落ちたように怒鳴りつけられ、びくっとなる僕。
「スコットが? アリシアに憧れていたのか?」
「そうだ! 君と友人でいたのだって、君のそばにいればアリシア嬢の視界の片隅に映るかもしれない、至近距離で見れるかも、というファン心理からだ。 僕の憧れの女神を苦しめるとは許すまじ。 アリシア嬢の代わりに仕返しするチャンスを待っていたんだ! 今がその絶好の好機! 君がうちに来たことも、君が頼りそうな友人の住所も、すでにターニャ嬢に連絡済みだ。すぐに追手が駆けつける。 君は逃げ場無しだ。 せいぜい自分がしたことを反省するんだな! ジャンもアントニーもザックもケインも、アリシア嬢のファンだから、きっと僕と同じことを言うぞ!」
スコットはふんぞり返って言うだけ言うと、静かに退場していった。
「僕の友人だと思ってたのに、実はアリシアのファンクラブだったのか…!」
それでは他の友人を頼っても、もっと酷い仕返しが待っているかもしれない。ならば…
開き直って、アリシアとの婚約破棄を無かったことにしてもらおう♪
とても脳天気な僕は、のこのことアリシアの邸へ向かう。
友人の邸には追手が待っているかもしれないが、さすがにまさか、アリシアを頼るとは誰も思うまい。
どの面さげて来たとか言われても、僕は全く気にしない。神経がとても太いから。
何度も通った、ドワーヌ伯爵邸への道。見慣れた景色に感慨深くなる。
なんでアリシアを裏切ったりしたんだろう。
ターニャと違って、アリシアはいつも誠実だったのに。僕のバカバカ。
もし、こんなどうしようもない僕を許してくれたら、多分今度こそ、もう少しマシな男になると思うから。海のような広い心で許してくれないかな。
ドワーヌ伯爵邸の門番に声をかけようとしていた時、門の中で眩しい光が瞬いた。
その光の中にいたのは、幸せそうに微笑むアリシアと、白いローブを纏った美しい青年だった。
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