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第一話 その五

その四の続き

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「私はね、こやね、って言うの」

こやねは笑顔で言う。

「よろしくねっ、冬ちゃん!」

「う、うん。」

思ったより元気な子だなあ、と思った

「あ、あの、相談があるんだけど」


「?…どうしたの?」

冬は自分が人の前で歌えないことを相談した。

「…そっか…自分が歌えない理由とかってあるの?」

こやねは冬に聞いた。


「…えっと…他の人が近くにいたり、誰かに見られたりすると怖いの…

 誰かに私の歌を聞かれて、『音痴(おんち)だな』なんて言われたりしたら

悲しいし辛い(つらい)…」


「そっか…そんな考えがあったんだね」


「あの、あなたはどうして、あんなに堂々と歌えるの?」


「それはね…」

こやねは続けてこう言った。

『自分に自信を持つこと』と『誰かのために歌うんだ』っていう思いを持っているから、かな。」



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