5/5
第一話 その五
その四の続き
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「私はね、こやね、って言うの」
こやねは笑顔で言う。
「よろしくねっ、冬ちゃん!」
「う、うん。」
思ったより元気な子だなあ、と思った
「あ、あの、相談があるんだけど」
「?…どうしたの?」
冬は自分が人の前で歌えないことを相談した。
「…そっか…自分が歌えない理由とかってあるの?」
こやねは冬に聞いた。
「…えっと…他の人が近くにいたり、誰かに見られたりすると怖いの…
誰かに私の歌を聞かれて、『音痴だな』なんて言われたりしたら
悲しいし辛い…」
「そっか…そんな考えがあったんだね」
「あの、あなたはどうして、あんなに堂々と歌えるの?」
「それはね…」
こやねは続けてこう言った。
『自分に自信を持つこと』と『誰かのために歌うんだ』っていう思いを持っているから、かな。」




