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三姉妹の真ん中令嬢は幸せになれないの?  作者: おつかれナス


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44/52

43 希望

嫌な表現があります。

気になる方は早送りをして読んでください。

 馬車は乗り込んだと同時にゲイル様は私の上へ覆い被さった。


「やめてください!」

「それは無理なお願いだ。今君を私の物にしないとまた横から掻っ攫われる可能性があるからね」


 ゲイル様は私の両腕を自身のクラヴァットで縛ると、左手で押さえた。


「君はもう私の妻になるんだ。諦めて俺に身を任せるんだ」

「嫌です!!私の心も!全てがマーレン様の物です!触らないで!」

「気の強い女は嫌いでは無いが、聞き分けの悪い女は嫌いだな。俺が本気で怒る前に言う事を聞け!」

「嫌です!貴方に抱かれるくらいなら今ここで死にます!」

「この!!」


 怒りを露わにしたゲイル様は右手を大きく振り上げた。

 その瞬間・・ゲイル様とジョージ様の姿が重なり・・


 バシィィィ!!


 左頬に痛みが走った。


 光景と痛みに、私の記憶は・・戻った。


「いやぁぁぁ!!マーレン様!マーレンさまぁぁ!」


 私の叫び声に驚いたゲイル様は一瞬力が緩んだ。私はその瞬間にゲイル様を思い切り叩いた。殴った。とにかく必死に抵抗した。

 ゲイル様も私をおとなしくさせようと手を上げるが、とにかく声を出し続けた。すると、馬車が急に停まったと思うと扉が思い切り音を立てて開いた。


「アリィから離れろ!」

「なっ!なぜ生きている!」


 私の身体から引き剥がされたゲイル様は、馬車の外へと引きずられるよう出された。


「アリィ様!」

「マギィ?」


 マーレン様と交代する様にマギィが飛び込んで来くと、少し腫れ上がった左頬を冷やしてくれた。

 私はマギィの、手を借りて外へと出るとマーレン様の剣がゲイル様を斬りつけようとしていた。


「貴様アリィに何をした?」

「夫婦になる二人に変な事を・・」


 ザン!と髪を切る。


「もう一度聞く。何を・・」

「何もされていません!二発叩かれましたがその三倍殴りましたから!それに」


 必死にマーレン様を止めているレッド様に代わって、マーレン様を説得する。

 マーレン様を傷つけたくない・・

 マーレン様に人を殺めさせたくない・・だから


「ジョージ様の時と違い、しっかり殴り返しましたから!」


 だから大丈夫。


「アリィ・・もしかして」


 私はマーレン様へ微笑むとゲイル様を睨む。


「貴方もジョージ様と同じです!我が家を騙し、私を侮辱し、思い通りにならないと手を上げる、最低な人です!私は貴方の物になりません!二度と顔を見たくありません!」


 お腹の中から叫んだ。




「アリィ、大丈夫か?」


 マーレン様が私の頬に血を伸ばす。が、それを阻止する人物が二名。


「マーレン様動かないでください。本当に、せっかく止血したのに、また傷が開いたではないですか!」

「そうですよ!アリィ様の頬は私がしっかり冷やしましたから明日には赤みも無くなっています!どさくさに紛れて触れないで下さい!」

「・・お前ら・・」


 三人のやり取りになぜか安心してしまった私は、クスクスと笑い出した。

 そんな私を見て三人も笑い出す。

 ああ、やっぱりいい。この雰囲気は私にとって一番安心出来る。


「レッド、このまま我が屋敷へ向かってくれ」

「えっ・・承知しました」


 マーレン様たちの声が心地良くて、安心からなのか・・私の瞼はどんどんと下がっていった。



 目を覚ますと見なれない部屋だった・・

 私は一瞬、ゲイル様の事を思い出し、身体が硬直した。

 あれからどうした?

 確かマーレン様に助けられたはず・・


 考えれば考えるほど今の状況が分からず冷や汗が出る。すると ガチャ と、扉が開く音がした。

 耳を澄ますとこちらへと足音が近付く。


 ドキドキドキドキ・・


 ベッドの横で人の気配がする。私は思い切って飛び起きると相手に向かって体当たりをした。


「アリィ、目が覚めたか」

「マーレン様!」


 私の体当たりを軽々と受け止めたのはマーレン様だった。

 マーレン様は私の背中をポンポン叩くと、またゆっくりと寝台に寝かせてくれた。

 布団を掛け直してくれる手を取り、


「あの、ここは?」


 と、聞いた。どう見ても初めての場所だったから不安になってしまった。

 マーレン様は優しく私の手を取ると布団を掛け直し、ベッド横にある椅子へ腰を下ろした。


「ここは私の屋敷だ」

「侯爵邸ですか?」

「いや・・」


 言葉を濁すマーレン様だったが、話してくれるのを待った。

 マーレン様は意を決した様に、私の手を握ると


「この屋敷は私が購入したんだ。その、侯爵を継ぐまでの間アリィと二人で暮らすようにと」

「それでは・・ここは」

「・・夫婦の寝室だ・・」


 顔を赤くしながら言うマーレン様がとても可愛いくて、私も顔が赤くなってしまった。


「その、君に内緒で用意した事は・・謝る。だが隣の君の部屋は何も入っていないから自由に選んで欲しい・・」


 この部屋を見ればわかる。侯爵邸には敵わないがこの屋敷もそれなりに立派だ。いつから用意していたのだろう。


「その・・引いたか?君に相談もせずに買ってしまって・・」


 私は顔を横に振ると涙が出た。

 気持ちが嬉しかったから。


「一緒に選びましょう、二人の家になるのですから」


 その言葉を聞いたマーレン様はホッとした顔をしながら、そっと私にキスをした。

 

次回最終話となります。

その後はレッドとマギィの話を載せようと思います。

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