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三姉妹の真ん中令嬢は幸せになれないの?  作者: おつかれナス


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33 王宮での夜会 3

残虐な表現があります。


気になる方は飛ばしてください。

「ジョージ様はまだアリィお姉様との結婚を諦めていないのかしら?」

「それは無いと思うわ・・」

「まぁ、スレント子爵家のご嫡男レッド様が居るから大丈夫でしょう」


 トゥーエがキョトンとした顔をする。

 

「何故ですか?」

「レッド様はグラビティ侯爵家の護衛を任されている家門。実際には護衛だけでは無いようですけれど」


 ね!とマギィに合図を送るお姉様。

 マギィはお姉様の言葉を無視して、無表情で周りを見ている。


 本当にこの子はアリィしか見えていないのね!


 とぼやいているお姉様。

 私はまるで我が家でくつろいでいるかの様に気を抜いていた。

 そしてそれを後悔したのは、直ぐの事だった。





 各婚約者はジョージ様を探すために私達を高位貴族専用のソファーで待たせていた。

 私達もまさかそんな所にまでジョージ様の手が入り込んで来るとは思わずに、給仕が持って来た果実水を口にしてしまった。


「トゥーエ大丈夫?」


 明らかに調子が悪そうだ。


「すごく、気分が悪いです・・」


 ハンカチを口元に当てているが、真っ青だ。

 私は果実水を持って来た給仕に伝えると


「休憩室へご案内致します」


 と案内役を買って出てくれた。

 全員が行くと戻って来た時に困るだろうと、お姉様に残ってもらうことにして休憩室へと向かった。


 が、


「あの・・本当にこちらで合ってますか?」


 廊下をひたすら歩いているが、一向に部屋が出て来ない。

 私は不安になり給仕に声を掛けると


 ギンッッ!!


 鉄がぶつかり合うような音がした。

 給仕は豹変して私たちへとナイフを向けて来て、それをマギィが隠しナイフで受けていた。


「お前は誰だ!この方がマクビティ侯爵嫡男のご婚約者だと知ってるのか!」

「ああ、もちろん知っているよ。だが俺の目的はもう一人の令嬢だよ!!」

「マギィ!!」


 マギィが押し倒されると男は私の方へと向かってくる。

 咄嗟にトゥーエを守ると、間に入って来たマギィに助けられる。


「お前・・訓練を受けたのか?」

「悔しいけど受け始めたところよ!アリィ様!トゥーエ様と逃げてください!」

「でもマギィが!」

「私一人なら何とかなりますから!」


 ギンギン!とナイフがぶつかる音がする。 

 私は何とかトゥーエを抱えて歩き出すが、思うように歩けない。

 トゥーエは小柄で細身の子だけど、女の私が抱えるにはやはり無理がある。

 それでもトゥーエを励ましながら広間の近くまで来ると目の前に人の影が視界に入った。


「ジョージ様・・」


 ジョージ様が道を塞ぐように立っていたのだ。

 私はトゥーエを後ろに隠し前に出る。ジョージ様はニヤニヤしながら一歩、また一歩と近づいて来る。


「ジョージ様、そこで止まって下さい」


 震える声で言うがジョージ様の耳には届いていない。ジョージ様は背中のトゥーエしか見えていないようで、ずっとトゥーエに話しかけている。


「トゥーエ、なぜ僕が迎えに行くまで待たなかったんだい?ああ、モルダンに何か言われたのか!アイツはズルい男だからな」

「モルダン様を悪く言わないで。私の婚約者ですよ!」


 気分が悪そうだが婚約者のモルダン様の事を言われたトゥーエが反抗する。

 ジョージ様はそれが気に入らなかったのか、壁を思い切り叩く。


 ダンッ!!


 壁で手を切ったのか、壁に伝いながら血が流れている。が、痛みも分からないのか更に傷を壁に押し付ける。


「ジョージ様、そこを通して下さい。今ならまだ私達しかお姿を見ておりません。お願いですから・・」

「うるさい!!お前に用は無いんだよ!」

「きゃっ!」


 怒鳴ると同時に私を床へと叩き付ける。

 私に馬乗りになり頭を床に擦り付けながらも暴言が止まらない。


「お前が何で次期侯爵夫人なんだ!お前なんか何の取り柄も無いくせに!」

「やめて!やめて下さい!お姉様を離して!」


 トゥーエは気分が悪いのに馬乗りになっているジョージ様へ体当たりする。が、力が弱く逆に捕まってしまった。


 「ああトゥーエ、良い香りだ・・。迎えに来たんだ」

「いや!離して!」


 トゥーエを抱き上げその場から離れようとするジョージ様の足にしがみつく。


「ジョージ様、トゥーエを離してください。連れて行かないで・・」


 そんな私を睨み付けながら、綺麗に結われた髪を鷲掴みにして


「いくら着飾ってもしれてるなぁ。お前にはそのドレスは勿体無い!」

「えっ・・」

「そのドレス、トゥーエが着てこそ引き立つな!」


 ジョージ様はトゥーエを優しく床へ降ろすと、私の髪を掴んだまま庭へと引きずられる。


「お姉様!誰か、誰か助けて!」


 トゥーエの声が小さくなる。

 怖い、今のジョージ様はおかしい。


「ジョージ様やめて、手を離して。今ならまだ・・」

「はぁー、グラビティ侯子も見る目が無いよなぁ。何でお前なんだ?あー!侯子は目が悪いんだなぁ、だから直ぐに手に入るお前を」

「マーレン様を悪く言わないで!!マーレン様は私の事を一人の人間として見てくれた!私をちゃんと見てくれている!貴方と一緒にしないで!いたっ!!」


 言い終わると同時に左頬に痛みが走る。

 思い切り殴られたのだと気付いた時には、反対の頬も殴られていた。

 ジョージ様はだんだん手加減が無くなってきて、とうとう私は意識を無くしていった・・




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