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三姉妹の真ん中令嬢は幸せになれないの?  作者: おつかれナス


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22 男たちの会議

 アリィに休むように伝えてから二日。あの事件が起きた夜、アリィが熱を出したと報告を受けた。

 しかもその日の夜はレッドが内緒で忍ばせたメイド、マギィが報告のため休暇を取った直後からだった。

 別の諜報員の話によれば熱はすぐに下がり、今はベッドの上で起き上がれるようになったと報告を受けた。

 

 [今日一日ゆっくりすれば大丈夫なので、明日から行きます]


 と丁寧な字で書かれた手紙を受け取ったのはつい先ほどだ。俺はその手紙を密かに机の中へと忍ばせた。


「あれ、マーレン様おはようございます。今日は早いですね!」


 アリィからの手紙(連絡)を引き出しに仕舞うと同時にレッドが入って来た。

 それほど早くは無いと思ったがレッドからしたら早かったのかも知れない。

 レッドは荷物を自分の机の上に置くと俺の方へ歩いて来た。そして・・


「何だ?これは」

「お茶会への招待状です」

「・・ちなみに聞くが、どこの家門だ?」


 夜会ならば屋敷に直接招待状が届く。

 レッドが手渡しで持って来た、となれば顔見知りだろう。

 俺は招待状を受け取ると裏を見た。


「ガーライン伯爵家です。先ほどモルダンから直接手渡されました」


 そう言って更に二通の招待状を出してきた。


「誰の分を預かったんだ?」

「・・アンドリュー様と僕の分です・・」


 珍しい事もある。夜会ならばレッドも子爵子息として出席する事もあるが、お茶会では滅多にない。その理由が俺の警護なのだが・・


「出るのか?」

「・・そうですね。親からもそろそろ相手を見つけろ!とは言われていますからね・・」


 そう言うと一枚を俺の机の上へ置く。アンドリューの分だ。

 そう言われてみればレッドから恋バナを聞いたことが無い。だが子爵家とは言えグラビティ家に仕える筆頭の家柄だ。レッドにも相手は必要だ!


「お前には良い相手は居ないのか?」


 今まで聞かずにいた事を聞く。

 レッドは少し驚いた様子だったが


「俺の恋バナに興味ありますか?」


 と、笑いながら答えた。

 正直無い!と言えば嘘になる。知りたい!聞きたい!なんだかんだ言っても護衛で大切な幼馴染だ!


「・・なんか、期待に応えられませんが・・そんな目で見ないでくださいますか?」

「居ないのか?協力するぞ」


 自分の事は自分で何とかしますので!と言い残しレッドは自分の机に戻って行った。俺は机の上に残されたアンドリューの分の招待状を手に取る。


 (確か今日は王城に居ると言っていたから後で持って行くか)


 取り急ぎの案件を手に取り、アリィの分も終わらせれるよう仕事を始めた。



「へー、ガーライン伯爵子息から直接手渡されたんだ!これは何か匂いますねー」


 お昼にアンドリューの部署へ顔を出すと丁度お昼に行く所だと言って、俺とレッドはそのまま食堂へ連れて行かれた。

 食堂といっても他の職員とは仕切られていて、ほぼ個室のようだった。

 俺たちはいつも職務室に運んで貰うか、外へ出る者がいればついでに買って来てもらったりしていたから少し新鮮だった。


「レッド君、モルダン君から何か聞いてるかい?」


 一緒にどうだい?と言われたレッドはアンドリューの右横に座っている。


「そうですね・・今回はモルダンの婚約者選びの為のお茶会らしいですね。いつもは嫌がっているモルダンも今回はやけに乗り気になってますよ」

「それは・・お目当ての人でも来るのかな?」


 アンドリューはサンドウィッチを食べながら続きを促す。俺も人の恋路は興味はないが心なしかレッドが楽しそうに話していた事が気になった。

 レッドはサンドウィッチを一気に食べ終わると、食後のデザートに手を付け始めながら


「ロード三姉妹を招待したと言ってましたね。三姉妹の誰かに目を付けたのでは無いでしょうか」

「ぶっっ!」

「ぶふぉっ!」


 同じように食後のお茶を飲んだ俺とアンドリューは同時に吹き出した。


「モルダンも名のある伯爵家の嫡男ですからね。本気を出せば婚約者なんて直ぐに決まるでしょうね〜」


 お先に失礼します。そう言い残し席を立ったが、振り返りながら口角を上げて俺たち二人の様子を伺って行った。


「・・レッド君はどこまで知っていると思う?マーレン」

「俺のアリィへの気持ちは知っているが・・アンドリューのチェリー嬢への気持ちは知らないと思うが・・アレの家柄を考えると・・」

「そうだよなぁー。あの口ぶりからすると絶対にバレてるよなぁ」

「まぁどっちにしてもロード三姉妹が参加するのなら、俺たちも絶対に行かないとだな!」


 先ずはお茶会でもっと自分の気持ちに気付いてもらえるようアプローチをしなくては!と、アンドリューと心に誓い合ってその日は別れた。



 職場へと戻る時、レッドが席を離れる直前の顔が思い出された。


「あいつ、もしかして・・」


 心の中に浮かんだ思いはそのまま胸の中にしまう事にして、今はアリィの事を一番に考えよう!


 「先ずは貯まった仕事を片付けるか!」


 急いで職場へと戻った。


 

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