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自分が平凡なんだと知ったのは、三姉妹で参加した子供だけが集まるお茶会だった。
子供とは時には残酷で・・
「ロード子爵令嬢の二人はこんなに綺麗で可愛いのに、どうして貴女はこんなに普通なの?」
と言われた時だった。
それまでは確かに姉は綺麗と良く言われたし、妹は可愛いと言われていた。でも、私だって全く言われてない訳では無かった!と思う。
だが、参加するお茶会で常に言われ続ければ本人たちもそう思うようになる。
「アリィは平凡ね」
と・・
姉と二人で夜会に行ってる時はまだ良かった。
姉とは比べられたが私だって悪くは無い!子息たちからも良く誘われたものだ!
だけど・・妹がデビューして三人が同時に夜会に現れれば、どうしても目線が姉と妹に向かってしまう。
今まで私に声をかけてくれていた子息も、今や姉と妹に群がる虫だ。
「マーレン様・・私そこまでひどい事は思っておりませんよ」
新しい果実水が入ったグラスを受け取りながらつぶやく。
マーレン様は そうか? と言いながらも姉妹の方を見る。
( 何だかんだ言ってもマーレン様も男だから、きっとチェリー姉様かトゥーエに行くんだろうな・・)
姉妹を見つめるマーレン様の横顔を見ながら、少し甘い果実水を飲み干した。
「で、どうする?君の婚約者殿は今夜も二人を守るのに必死な様だが?」
見れば一応婚約者であるジョージ様が常に二人の間に立ち、寄ってくる子息たちを撒いていた。
私は空になったグラスを給仕に渡すと、
「これでも一応は婚約者がいる身。彼を差し置いてマーレン様とは踊れませんよ?」
「何を今さら!何か言われても上司からの誘いは断れない!とでも言っておけ!!」
そう言い終わる前に私の手を取ると、ホールの真ん中まで連れられて行った。
マーレン様はさすが侯爵家嫡男!エスコートも自然なら踊りも自然。どちらかと言うとダンスが苦手な私でも上手にエスコートしてくれる。
なのでマーレン様と踊るダンスはとても楽しい。
「私、実はダンスが苦手なんです。一緒に踊ってくれるのはいつも家の者で、ダンスの経験も少ない者ばかりなので上達しなくって・・」
恥ずかしげに話すと
「ロード子爵や婚約者殿は?」
「父も苦手なようで・・。彼は姉と妹の相手で忙しくて、私まで手が回らないようでした」
ちょっと言うのも恥ずかしかったけれど、マーレン様ならわかってくれるかな?と思い話してみた。
私の言葉にマーレン様も驚いてはいたけれど、他家の事に口は出せないと黙ってしまった。
婚約者のジョージ様を見れば、トゥーエをエスコートしながら踊っていた。トゥーエは普通に笑顔で踊っているがジョージ様の顔が・・
「あれは・・婚約者の妹に見せる顔じゃ無いぞ」
わかっております、マーレン様。
ジョージ様の妹に見せている顔は私には一度も見せた事が無いお顔。だからと言って羨ましい訳でも無いですけどね・・
そんな事を考えていた時、何か視線を感じた私はその視線を探した。
ダンスで回りながら視線を探すとそれは・・
「姉様・・」
チェリー姉様だった。




